JX金属、チリ銅鉱山の権益構成見直し 三井物産からロス・ペランブレス権益追加取得

コジャワシは全権益を譲渡

 JX金属は16日、同社が15%の権益を有するロス・ペランブレス銅鉱山(チリ)の権益を三井物産から0・79%追加取得するとともに、同社が保有するコジャワシ銅鉱山(チリ)の全権益(3・6%)を三井物産に譲渡することで合意したと発表した。中期経営計画(2017~19年度)の基本方針の一つに掲げる「基幹事業の収益力強化」の一環で、製錬事業とのシナジーや経営管理強化の観点から資源開発事業のポートフォリオを見直し、より重要なアセットに投資を集中させるのがねらい。取得額及び譲渡額は非公表。権益の交換取引で生じる資金は下流事業への投資に充当する。

 ロス・ペランブレスは、鉱床規模・品位ともに世界でもトップクラスの銅鉱山で、同鉱山で産出される銅精鉱はヒ素などの不純物が少なく銅品位が高いため、同社子会社のパンパシフィック・カッパー傘下の各製錬所の重要な原料調達先となっている。また、同社は日本側出資者のうち最大の出資比率を有し、社員の派遣や操業・経営への関与を通じて最大出資者であるアントファガスタ社(チリ)とも密接な関係を構築している。こうしたことから同社の出資比率が低く経営への関与の程度が相対的に低いコジャワシの権益を、同鉱山の日本側最大出資者である三井物産に譲渡し、代わりにロス・ペランブレスの権益を同社から取得することを決めた。同取引後の同社の銅鉱山権益量(銅量ベース)は現行の年間約20万トンから同約18万トンとなる。 

 両鉱山の出資比率はロス・ペランブレスがJX金属15・79%、三菱マテリアル10%、丸紅9・21%、三菱商事5%、アントファガスタ60%、コジャワシが三井物産11・03%、三井金属0・97%、グレンコア44%、アングロ・アメリカン44%となる。

 ロス・ペランブレス(チリ第4州)の銅生産量は年間約40万トン、埋蔵鉱量(16年末時点)は約61億トン(銅品位0・51%)。コジャワシ(チリ第1州)の銅生産量は同約50万トン、埋蔵鉱量(同)は約100億トン(同0・78%)。

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