もういくつ寝ると

 例えば-。今月は思わぬ出費が続いて苦しかったなと思う月の給料日、遠距離恋愛の彼や彼女に会える日、遠くに暮らす子や孫の里帰り。とても楽しみな事柄の到来を指折り数えて待つ数日間は、意地悪なほど長い。時季とは無関係にあの童謡の懐かしい歌詞が浮かぶ。♪もういくつ寝ると…▲大きなマルで囲んだあなたの手帳やカレンダーの「24日」が、いよいよ今週末に迫った。本県のプロサッカークラブ、V・ファーレン長崎のJ1での戦いが始まる▲昨日の激励パレードには大勢のファンが集まった。期待の新戦力もおなじみの顔も決意を新たにきりりと引き締まって…真新しいユニホームの胸と背中に染め抜いた本県の地図、どんな風を吹き込んでくれるだろう▲開幕を心待ちにしているのは県内のファンばかりではあるまい。ほかでもない、どの自治体も人口流出に頭を痛め続ける長崎県。だから、V長崎のゲームを待ちわびるファンは、きっと敵地の湘南にも浦和にも横浜にも大阪にも▲全国に散らばった人たちの“長崎人魂”を呼び起こしてくれるはず…そんな副産物への期待も少なからず膨らむ「J1元年」▲J1昇格を決めた歓喜の「11・11」から今日でちょうど100日、長かったような短かったような。あと五つ寝ると、開幕戦の笛が鳴る。(智)

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