友好の絆、ビールに 戸塚産ナシ×北海道下川町の小麦

 地ビール製造会社「横浜ビール」(横浜市中区)は、同市戸塚区と北海道下川町の名産品を使った特別醸造ビール「ともだちウィートエール」を完成させた。両区町は友好協定を結ぶ間柄。年に1度、それぞれの地域で販売することで、遠く離れた友好の絆を確かめてほしいと願っている。

 2019年に区制80周年を迎える戸塚区が昨年夏、下川町とのつながりを表現したオリジナルビールの商品化を提案したことからプロジェクトが動きだした。深田優醸造長らは両区町の農家を巡り、戸塚名産のナシと、下川名産の小麦「はるきらり」を使うことを決めた。

 同社にとってナシを使ったビールは初めて。さっぱりとした風味が特徴のナシは個性を引き出すのが難しい。試行錯誤の末、フルーティーな甘い香りと、飲んだ後にかすかな酸味が楽しめる爽やかな仕上がりとなった。

 横浜ビール直営店「驛(うまや)の食卓」(同市中区)で1月26日に開かれたお披露目会には戸塚区と下川町の関係者ら85人が出席。田雑(たぞう)由紀乃区長は「たくさんの友だち関係でビールが完成したことがうれしい」。谷一之町長は「大勢の人たちに支えられた。これをきっかけにまちづくりを進めたい」と喜んだ。

 ラベルのデザインと印刷を手掛けた大川印刷(同区)の大川哲郎社長らを前に、横浜ビールの太田久士社長は「友だちがいたからこそ生まれた。それぞれの町の人が互いに思いをはせるビールに育ってほしい」と願いを込めた。

 330ミリリットル入りボトルで1本540円(税込み)。初回は2500本限定。西武東戸塚店をはじめ、両区町内の酒店、飲食店などで取り扱っている。問い合わせは横浜ビール電話045(212)9633。

 

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