投打に強力布陣も、ポイントは「適材適所」…2018年、巨人外国人チェック

ドラ1でブルワーズに入団した経歴を持つテイラー・ヤングマン【写真:Getty Images】

マイコラスがMLB復帰も、ゲレーロ&ヤングマン加入で育成枠入れて計8人

 巨人は育成枠も含め8人の外国人選手を擁している。実績のある選手も多いが、起用法がポイントになるだろう。

 今季の巨人外国人選手。成績はNPB通算。

◯投手
マシソン 33歳 NPB6年 25勝24敗45S152H、防御率2.30
ヤングマン 28歳(新加入)
カミネロ 30歳 NPB1年 3勝5敗29S4H、防御率2.42
アダメス 23歳(育成枠 1軍出場なし)
メルセデス 23歳(育成枠 1軍出場なし)

 昨年、菅野智之とWエースの活躍をしたマイコラスがMLBに復帰した。マシソンにもMLBからオファーがあったとされるが、巨人に残留。2月27日に34歳になる。地元メディアの取材に「これが自分のプロ生活の最後の2年になるはずだ」と表明。6年間で45セーブ、152ホールド。現在のNPBで最も信頼感のある救援投手の一人だ。

 ヤングマンは198センチ95キロの大型右腕。大学から2011年ドラフト1巡目(全体12位)でブルワーズに入団したエリート。マイナーでは主として先発で投げて2015年、MLBに昇格。ローテーションの一角を担い9勝8敗、防御率3.77とまずまずの成績を挙げたが、2年目以降勝ち星なし。制球が乱れ、マイナーでも四球を多く出し、2017年オフにリリースされた。まだ20代であり、NPBの野球に適応できる可能性はあるのではないか。

 カミネロは、クローザーとしてまずまずの成績を挙げた。昨年の巨人は澤村拓一が全休し、救援投手の絶対数が足りなかったが、その中でマシソンとともに中心となって頑張った。特に9月以降、11試合で1勝6セーブ、防御率0.69と抜群だった。今季も期待できるだろう。

 アダメス、メルセデスはともにドミニカ共和国出身。アダメスは今季3年目、メルセデスは2年目となる。

 このほかに台湾出身ながらドラフト7位で巨人に入団した右腕投手、廖任磊(24歳 1軍出場なし)がいる。

1軍枠が4人の中で「適材適所」の起用ができるか?

 野手は3人。

◯内野手
マギー35歳 NPB2年 1036打315安46本170点、打率.304
マルティネス24歳(育成枠 1軍出場なし)

◯外野手
ゲレーロ31歳 NPB1年 469打131安35本86点、打率.279

 マギーは2013年、楽天に入団し28本塁打、93打点、打率.292で初の日本一に貢献したが、翌年MLBに復帰。カムバック賞を獲得したが、MLB復帰後3年間で本塁打6本とパワーダウンし、2017年に巨人に入団。巨人でも18本塁打、77打点、打率.315と活躍した。派手な活躍はしないが、シーズン通して安定感があった。

 マルティネスは、投手のメルセデスとともにドミニカ共和国から入団して2年目。1軍出場を目指す。

 ゲレーロはキューバ出身、昨年、中日で35本塁打でタイトルを獲得。今季、巨人に移籍した。長打力が売りだが、キューバ時代から三振が比較的少なく、シーズン100三振は一度も記録していない。2年目の今季は打率がアップする可能性があるだろう。

 巨人は、質・量ともに充実した外国人選手を擁しているが、問題は起用法だろう。外国人の出場枠は4人。投手、野手はそれぞれで最大3人と決められている。昨年は、内野手のクルーズを起用するために、クローザーのカミネロを一時期ファームに落とし、マシソンがクローザーに回った。

 また、村田修一とマギーを併用するために、本来三塁手のマギーをMLBでは22試合しか守ったことがない二塁に回した。今季のゲレーロは内外野ともに守れる選手ではあるが、外国人枠や日本人選手起用の兼ね合いで、また無理なシフトになる可能性もあるだろう。

 高橋由伸監督は「適材適所」ができるだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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