「7、8割の力」で150キロ超連発 ホークス19歳左腕が衝撃の実戦初登板

練習試合に登板したソフトバンク・古谷優人【写真:福谷佑介】

20日行われたB組練習試合のJX-ENEOS戦でキャンプ初実戦、最速151キロをマーク

 衝撃的だった。ソフトバンクの宮崎キャンプ第5クール初日。2年目の古谷優人投手が、周囲の度肝を抜く圧巻の投球を見せた。

 この日、B組が戦った社会人のJX-ENEOSとの練習試合。オフに胸郭出口症候群による血行障害が判明し、下半身の軽い故障もあってリハビリ組としてキャンプをスタートさせていた古谷が初の実戦マウンドに上がった。まだ2月半ば。先日B組に合流したばかりで、今季初実戦だったにも関わらず、150キロ超えを連発したのだ。

 モノが違う。6、7回を投げた2016年のドラフト1位・田中正義投手の後を受け、8回にマウンドに上がった左腕。先頭打者の初球にいきなり149キロをマークすると、2球目にはこの日の最速となる151キロ。4球目の150キロで追い込むと、5球目は再び150キロで見逃し三振を奪った。

 続く打者には初球の150キロを右前に運ばれたが、次打者の2球目で盗塁死。2死となると3人目の打者の4球目にも再び151キロを計時。最後は148キロで二ゴロに打ち取り、結果的に3人で1イニングを投げ終えた。

「意識します」同級生の長谷川宙が17日の紅白戦で148キロをマークし「負けたくない」

 左腕の血行障害は、手術せずに投薬治療などを行っていくことを決断した古谷。キャンプ中も血行を良くする効果のある炭酸泉に浸かるなど、細心の注意を払ってケアを施している。その中での実戦初登板。12球中5球が150キロオーバーで「(左手は)問題なく投げられました。今日は良かったですね」と振り返った。

 2016年のドラフト2位の古谷。このキャンプでは、同級生で育成ドラフト2位の長谷川宙輝投手がA組昇格を果たすなど、評価を急上昇させている。「気にしないようにはしていますけど、やっぱり意識はしますよね」と同級生の存在について語ってた古谷。長谷川宙は17日のA組紅白戦で登板し、最速148キロをマークしていた。

「長谷川が148だったので、負けたくないと思っていました。ただ力み過ぎても、と思って7、8割で投げようと思っていました。出ても148キロくらいかな、と思っていたんですけどね。力まない方がいいボールがいくのかなというのも感じましたね」。力の入れ具合は7、8割で150キロ超を連発したのだから、驚きでしかない。

「このまま安定していけば、オープン戦でもチャンスはあるかなと思っています」と語る古谷。血行障害とは今後も付き合っていかなければならないが、それでもやはり期待してしまいたくなる。2月19日に19歳の誕生日を迎えたばかり。将来が楽しみだ。

(Full-Count編集部)

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