珍鳥イスカ 丹沢で撮影

 上下のくちばしの先端が食い違った珍しい格好をしている野鳥イスカを、はだの野鳥の会会長の八木茂さん(68)が丹沢・大倉尾根で見つけ、撮影に成功した。同会の約40年間の探鳥活動でも見たことがなかった。「県内で撮影されるのは珍しいのでは」と八木さんは話している。

 八木さんが5日、丹沢・塔ノ岳(1491メートル)に登り、大倉尾根を下山中にアカマツの木に止まっているのを見つけた。

 「十数羽の群れがやってきてアカマツの木に止まると、中にオレンジ色の鳥がいた。イスカのオスはオレンジ色なので、おそらくイスカと思った。帰宅して写真をよく見ると、特徴的な交差したくちばしが分かりイスカと確認できた」と八木さん。

 同会では月1回、秦野市内で観察エリアを決めて、定点観測的な探鳥会を続けているが、これまでの活動で会員の誰もイスカを見たことはなかったという。

 日本野鳥の会普及室員の富岡辰先(たつゆき)さんによると「イスカは松の木の実を食べるのに都合が良いようにくちばしが交差している。なかなか見られない鳥で、日本野鳥の会の会員にとってもあこがれの鳥」という。

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