三菱電線の不適切行為、再発防止へ検査自動化

 三菱マテリアルは20日、子会社の三菱電線工業(本社・東京都千代田区)がシール材と巻線で行った品質に関する不適切行為について再発防止策や原因を公表した。再発防止策には検査システムの自動化など技術面の施策に加え、製品開発・受注過程の見直しや品質保証部門の強化などを挙げた。原因についてはシール事業や品質保証部門に対する不十分な経営資源の配分などとした。

 再発防止や原因については三菱電線が19日付で提出した最終報告書に基づいて三菱マテリアルの特別調査委員会がまとめたもの。三菱電線では検査の自動化についてデータが直接成績表に反映されるシステムの導入などで人為的な判断が介在しないシステムの速やかな導入について言及。3月末までに1億円強をかけて簑島製作所で最初の投資を行う。製品開発・受注過程の見直しでは、品質保証部門から技術開発や製造部に品質関連の情報を伝え迅速に反映させる体制を整える方針。今回の三菱電線の最終報告を受けて同社前社長の村田博昭取締役は28日付で顧問に退く。

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