荻窪駅すぐ近く、教会通りにあるラーメン屋「ねいろ屋」。２月20日でオープン６周年を迎えるお店です。ラーメン自体のおいしさもさることながら、デザートのかき氷が本格的すぎると話題です。「素材の味を生かしたい。農家の人とのつながりを大切にし、信頼できる素材を使いたい」と語る、愛媛県出身のオーナー、松浦克基さん（36）のこだわりが詰まったメニューの一部を紹介します。
まずはラーメン。レモンスライス３枚と淡いピンク色の鶏チャーシューがのった、見た目にも涼しげな「瀬戸内レモンラーメン」(900円)は、女性ファンの多いラーメンです。瀬戸内海に浮かぶ愛媛県岩城島のレモンを使っています。鶏ガラスープと伊吹いりこでとった出汁に、レモン果汁をたっぷり加え、切り立てのレモンスライスを浮かべています。運ばれた途端に、レモンのさわやかな香りが鼻をくすぐります。細麺を口に運ぶたび、レモンの酸味が楽しめ、最後までいやな苦味はありません。岩城島のレモンは、酸味が強すぎず香りが高いのが特徴。旬のレモンは皮まで柔らかくいただけます。鶏ムネ肉を丁寧に真空低温調理したチャーシューは、とってもジューシーで優しい味わい。女性に人気なのもうなずけます。
一方、冬季限定ながら、人気商品の「黄金しょうがの大吟醸みそらーめん」（1000円）は、高知産の薫り高い黄金しょうがと信州上田の味噌醸造元「大桂商店」の麹をたっぷり使った大吟醸みそのしっかり味のラーメン。香川県の伊吹いりこ、地鶏、白金豚のトリプルスープには麹が花びらのように浮かび、もちもちとした平打ちの太麺によく絡みます。トッピングのチャーシューは脂身がおいしい白金豚の豚バラを丁寧に煮込み、仕上げに香ばしくあぶったもので、同じく醤油でしっかり味付けしたゴボウの香りとともに食欲をそそります。みそのコクと甘味に、ショウガの風味や醤油がアクセントになり、しっかりとした味わいなのにしつこさはありません。ショウガ効果か、ポカポカと体も温まる、冬にはうれしい一品です。桜が咲く頃には、春のメニューに切り替わってしまいますので、お早めにどうぞ。
「瀬戸内しょうゆラーメン」（850円）には、店主の〝瀬戸内愛〟が詰まっています。出汁は伊吹いりこ、醤油は愛媛の醸造元、魚醬も淡路島のいかなご魚醬を使っています。添えられているチャーシューは、白金豚のモモ肉をオーブンで焼いてスライスしたもの。いりこ出汁の香りとうまみが豊かで、甘辛すぎず、あっさりといただける一杯です。
さて、ラーメンを味わったらデザートのかき氷を。ぜひ食べていただきたいのがイチゴのおいしいシーズン限定の「生女峰いちご」（1000円）。ふわっふわのかき氷の上に、真っ赤なイチゴのソースがたっぷり。人工的な添加物は一切不使用。香川県産の生の女峰イチゴがソースにたっぷり１パック分ほど使われているというから驚きです。ソースの表面に浮かぶツブツブの数を見ても、いかにたくさんのイチゴが使われているのかがわかります。ソースには一切火を加えておらず、最低限の砂糖を加えたのみだそうで、イチゴ本来の酸味と甘味が味わえます。ふわっふわの氷は、熟練のスタッフの技と綿密な氷の温度管理のなせるわざ。かき混ぜず、上から崩しながら味わうのがオススメです。
次に紹介したいのは、通年でいただける「女峰いちごミルク」（1000円）。こちらはあえて酸味の強い、５、６月ごろの女峰イチゴを使い、砂糖や水飴で甘味を付けた自家製のミルクシロップと一緒にいただきます。イチゴの自然な酸味とミルクの甘味が贅沢で、ミルク好きにはたまらない一品です。かき氷通にチェックしていただきたいのが、「ピスタチオとサンファーム吉田さんのラズベリー」（1300円）。表面にピスタチオソースがたっぷりかかった淡い緑色のかき氷です。中に入った濃厚なラズベリーソースの酸味との相性が絶妙と、評判です。
松浦さんはスタッフからも評判の〝凝り性〟で、自ら生産農家を訪ねたり、醸造元の蔵で味噌造りを見学したり、と素材選びにもかなりこだわっているんだとか。ラーメンのトッピングやかき氷のソースなど、時季や仕入れに応じてメニューも日々アップグレードされるそうですので、訪ねるたびに新たな発見があるかもしれませんよ。オーナーの愛とこだわりがたっぷり詰まったラーメンとかき氷をぜひ味わってくださいね。
【ねいろ屋】
所在地：東京都杉並区天沼３－６－24
２月の営業時間：平日11：30〜20：45（L.O.）※火曜は〜14：00
土11：00〜20：00（L.O.） 日祝11：00〜18：00（L.O.）
※平日15：00～18：00 土日祝16：00～18：00のみ、かき氷単品で注文可能
https://twitter.com/neiroya (３月以降の営業時間や当日のメニューはこちらで確認を)
