《西荻窪》空を身近に感じられる「ササユリカフェ」で、ランチやティータイムはいかが

天気がいい日には「ササユリカフェ」のテラス席から、こんな空が眺められます

 西荻窪の駅から商店街を歩くこと約3分。ビルの4階にあり、ゆったりとした空間と開放的なテラスが印象的な「ササユリカフェ」を紹介します。白を基調にし、明るい日差しがたっぷりと注ぎ込む店内は、ここが都内であることを忘れさせてくれます。

天気がいい日にはたっぷりの日差しが差し込み、日だまりのような雰囲気の店内

 オーナーの舘野仁美さんは、元スタジオジブリのアニメーター。約25年間、ジブリでアニメ製作に関わってきました。

 アニメーターからカフェのオーナーになった経緯について「2013年に、ジブリの作画・映画製作部門がなくなることを告げられました。それ以前から、いつかはこの日が来ると覚悟し、漠然とですが、そのときには得意なカレーをいかしたカレースタンドをやってみたいと考えていました」と語ってくれました。

 考慮の末、ジブリを退職した14年に、カレースタンドではなく、「ササユリカフェ」をオープン。西荻窪を選んだのは、働く女性が多いことと、切望していたテラス付きの物件が駅のそばにあったからだそうです。

 一押しは、アニメーターだった頃、友人に教えてもらい良く作っていたという「ササユリカレー」(サラダ、スープ、コーヒー付きセット、1000円)。高知県のショウガをたっぷりと入れ、鶏ひき肉を使ったキーマカレーは、とても食欲をそそる味で、いくらでも食べられてしまいます。

 また、酸味が効いて、ほどよい甘さもある「フルーツカレー」(セット、1000円)もぜひ試してほしいです。

 肉は使っておらず、リンゴとヨーグルトをベースに、玉ネギ、カボチャ、ひよこ豆、レッドキドニー豆、ニンジン、エリンギ、シメジを煮込んでいるヘルシーなひと品。ササユリのカレーにはどれもニンニクが入っていないため、「ランチにカレーを食べるとにおいが気になる」と考えている人でも大丈夫です。

「ササユリカレー」(左)と「フルーツカレー」の盛り合わせ。ランチセットなのでサラダとスープ、コーヒーがつきます

 カフェタイムには、紅茶やハーブティーなどと一緒にスコーン(ジャム付き1000円)はいかがでしょう。発酵バターを使ったスコーンは、注文を受けてから焼くため、20分ほどかかりますが、焼きたての香りは何ともたまりません。外はサクッ、中はほろっと崩れながらしっとりしています。

 そのままでもおいしいですが、ブルーベリージャムやストロベリージャム、クロテッドクリームを付けて食べると、また格別です。来店客からは「ここのスコーンを食べると、他のお店のスコーンが食べられなくなる」と大好評だそう。

焼きたてのスコーンは香りが抜群!そのまま食べてもジャムを塗ってもおいしい。飲み物はケーキなどのティータイムメニューとセットで注文すると500円引きになります

 ドリンクは、ハーブティーや、フレーバーティー、紅茶、コーヒーなど(1000円~)。コーヒーは酸味のない苦みと甘味のある1種類だけですが、その他のティーは12種類。なんと100種類以上を取り寄せ、試飲し味と香りを確かめてから選び抜いたとのことです。

 コーヒー以外を注文すると、香りを確かめてから決められるように、丸い12個の缶に入った茶葉がトレーに並べられ運ばれてきます。一つ一つの缶のふたを開け香りを確かめてから、気に入ったものを注文。価格は少々高めですが、おかわりができ、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

12種類のハーブティーや紅茶がそろっています

 舘野さんは「明るいカフェなので、混んでいなければ、お茶を飲みながら、読書や仕事、編み物をしていく方もいます。働く女性たちや高齢の女性がくつろげる場所でありたいですね」と話してくれました。

テラス席では、空を身近に感じられます。春になったらここでお茶を楽しむとさわやかな気分に
夏の夕暮れ時にはこんな空を眺めながら、テラス席でビールやカクテルを楽しめます

 このカフェでは、良質なアニメを多くの人に知ってほしいと、過去の名作や新人の作品を紹介する展示会を月替わりで実施。2月26日までは、「龍の歯医者 原画展」が開催されています。

 日だまりのようなカフェで、心も体ものんびりしてみませんか。

ササユリカフェ

所在地:杉並区西荻北3-16−4 小美濃本社ビル4階

営業時間:午前11時30分~午後10時(L.O.午後9時)

定休日:火・水曜日

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