地域に生かす市民活動 研究団体、出版記念で議論

 横浜の市民活動への理解を深めるパネルディスカッションが18日、横浜YWCA(横浜市中区)で行われた。元市職員らでつくる「ヨコハマパトナの会」が地域行政の取り組みなどを紹介した「VITAMIN BOOK」の出版記念研究会。参加者約100人を前に市民活動の実践例などが報告された。

 同会は市民活動に共感し研究を続ける24人で構成。同会代表の内藤恒平さんと副代表の中川久美子さんがコーディネーター役を務めたほか、大規模団地「ドリームハイツ」(戸塚区)の松本和子さんら市民活動の実践者3人と、鈴木隆さんら本の執筆に当たった同会会員3人が登壇した。

 約40年前、団地の母親らと自主保育を始めたのをきっかけに、高齢者の居場所づくりや見守りなど、多彩な活動を展開してきた松本さん。「地域が連携したことで実現したことは多い」とする一方、各活動団体の高齢化が進んでいると指摘し、「どう世代交代をしていくかが課題」と語った。

 元市職員の鈴木さんは市民活動を支える現役行政職員へのメッセージとして、時代認識を持つことの大切さを強調。「いま何が求められているのか。住民の課題を把握することが大事」と呼び掛けた。

 本の中で「みんなのため」が「自分のため」にもなるという「小さな公共」が求められているとの持論を展開した中川さん。「都市コミュニティーの未来について、それぞれの立場で考えてもらえたら」と総括した。

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