生麦まちゼミにキリンビールと京急電鉄が名乗り 横浜市鶴見区

まちゼミの説明を聞く新規参加予定の店主ら

 商店主が講師となり、専門知識などを提供する「得する街のゼミナール」(愛称=まちゼミ)。生麦周辺の商店街が現在開催を準備している「生麦deまちゼミ」に、キリンビール(株)横浜工場と京急電鉄(株)が参加することがわかった。全国各地で行われている同企画に大企業が参加するのは珍しく、13日の説明会に出席した二社は「一緒にまちを盛り上げたい」と声を揃える。

 まちゼミは2002年、愛知県岡崎市で始まった企画。「勧誘や販売はなし」というルールのもと、商店主が講師となり、少人数制でコミュニケーションを重視した無料講座だ。商店街活性化に加え、受講する顧客や地域にも還元される事業として、これまでに全国340地域に広がっている。

 生麦では、(株)全国商店街支援センターの協力を得て、昨年9月に初開催された。第一回目には、生麦駅前通り商友会、岸谷商栄会、花月園前通り花商会周辺の18店舗が参加。参加店の店主らによる生麦盛り上げ隊(松野良明隊長=人物風土記で紹介)が主催した。

特別ツアー企画

 隊長を務める松野さんから参加を打診されたキリンビール横浜工場は、「愛される工場になるという目標に趣旨が合致した」と快諾。近隣学校への出張授業や臨海部企業との連携などは行ってきたが、商店街と協力するのは初めてだという。

 「参加するのはもちろん、これまで蓄積してきたノウハウもオープンにして、サポートできるものはしていく」と同工場。講座はまちゼミ限定の特別工場見学ツアーを企画するという。

駅前を活性化

 一方の京急は、沿線活性化の施策を検討する中、まちゼミの情報を入手。第一回目の開催直前に松野さんのもとを訪れていた。「商店の活性化や将来についての考えを聞き賛同した」と、二回目への参加を決めたという。

 同社まち創造事業部の担当者は「地元の方と一緒になって取り組むことで、効果的に駅前の活性化が図れる」と話す。開催場所や講座内容は現在検討中としている。

広報面などに利点

 13日にあった説明会の講師を務め、北九州市若松区でまちゼミを仕掛ける牛島源さんは「ここまでの大企業の参加は全国でも珍しい例だと思う」とし、「広報面などメリットは大きい」と利点を挙げる。

 二社のほか新規参加は飲食店など。既存店舗も含め、25店舗前後が参加する予定だという。松野さんは「(二社は)強力なパートナーで、本当にありがたい話。前回同様、多くの人に喜んでもらえれば」と話している。

 第二回目の開催期間は4月21日〜5月31日を予定している。

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