横浜・中区予算案:地域振興と福祉推進に力 横浜市中区・横浜市西区

 2018年度に中区が自主企画として実施する事業の予算案および概要が、このほど明らかになった。関内・関外エリアの回遊性向上や本牧地区の賑わい創出に向けた新たな取組みなどの地域活性化と、地域活動の担い手を対象としたワークショップなど子どもから高齢者までがともに支え合うまちづくりに重点を置く。区民の1割強を占める外国人向けに窓口情報などをまとめた「ウエルカムキット」の作成も検討しており、地域における多文化共生推進の施策も盛り込んだ。

 中区の18年度予算である「個性ある区づくり推進費」(案)は、総額で5億5869万円。そのうち、事務費や施設管理費などを除いた区の自主企画事業の予算は約1億612万円。その事業費をもとに、区の基本目標である「誰もが安心と活力を実感するまち中区〜住んで良し、働いて良し、訪れて良し〜」の実現をめざす。

 主な施策は「地域の活力があふれるまちづくり」「子どもから高齢者まで共に支え合うまちづくり」「安全・安心で健やかに暮らせるまちづくり」「地域に寄り添い、ともに行動する区役所づくり」の4つ。

 この施策に沿い、花と緑などによる魅力ある空間の創出などを盛り込む「まちづくり対応事業」(約287万円)や、新規事業として本牧の魅力発信と賑わいづくりを目的とした「本牧賑わい推進委員会」(仮称)の創設を想定した「賑わいづくり推進事業」(200万円)などを計上。また、高齢者を地域で支える「地域包括ケアシステム」の中区指針が3月までに策定されることもあり、その指針に沿って高齢者の地域交流促進や認知症支援などを進める「地域包括ケアシステム推進事業」(約200万円)、地域全体で子育てのできる環境づくりを支援する「みんなで子育て事業」(約450万円)、区民の健康づくり活動の支援や環境づくりを展開する「健康アシスト事業」(約244万円)などに取り組む。

 これまで同様に重点施策である地域防災力向上事業には約673万円をつけ、減災行動の啓発や防災出前教室、防災訓練などを実施する。また地域防犯活動の支援や防犯教室などを行う安全なまち・防犯対策推進事業に約236万円、食の安全や安心事業に142万円、動物適正飼育の推進に約84万円を見込む。

 区民の1割強を占める外国人に対する施策として、転入してきた外国人住民に必要な情報を母語で伝える「ウエルカムキット」作成を検討しており、多文化共生推進に約830万円を見込む。老朽化が進む区庁舎本館の改修には約1900万円を計上している。

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