全商検定1級9種目制覇 佐世保商業高3年の前田紗綺さん 県内2人目、同校初

 長崎県佐世保市吉岡町の県立佐世保商業高総合ビジネス科3年の前田紗綺さん(18)が、商業の専門知識や技能を問う「全商検定」の9種目で最高の1級に合格した。同校では初めて、県内では2人目の快挙となった。「一つ受かるたびに家族や先生、仲間が喜んでくれた。プレッシャーも大きかったが、うれしい」と喜んでいる。

 全国商業高校協会(東京)主催で、簿記やプログラミング、英語など10種目がある。級の区分けがないビジネスコミュニケーションを除く9種目のうち、3種目以上で1級に合格すると協会から表彰を受ける。協会によると、本年度に9種目に合格したのは全国で39人。例年30人前後の難関という。

 1年のころから試験に挑戦。2年から▽会計ビジネス系▽情報ビジネス系-など四つの系に分かれ専門的に学ぶため、授業では習わない種目もあった。友人から問題集を借りて、休み時間や片道1時間の通学時間に取り組み、過去問題をひたすら解いて力を付けた。

 英語では2度の不合格を経験し、諦めようと思ったこともあった。そんなとき、友人が「9種目目指して」と励ましてくれた。昨年9月、基礎も分からないところから独学で挑んだプログラミング検定に合格すると自信がつき「意地でも全部取ろう」と気合が入った。12月には英語で悲願の合格。最後に受けた今年2月の商業経済検定で9種目制覇となった。

 背中を押してくれた友人に「『目指して、と言ってくれてありがとう』と伝えた」と、はにかむ前田さん。その後も税理士の受験資格を得られる全国経理教育協会主催の簿記能力検定上級を受験(合格発表は4月)するなど意欲的だ。4月からは福岡大商学部に進学する。夢は公認会計士。「大学在学中に合格できるよう頑張りたい」と力強く語った。

「プレッシャーも大きかったがうれしい」と喜ぶ前田さん=佐世保商業高

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