『ar 2018年 3月号』未来がキラキラしてやがる

 はーしんど。なんだか疲れが抜けません。堂本剛で換算するところ約0.3しんどい(彼の闇深すぎやしないか)。季節はもう春だっつうのに、春と打とうとしても貼るとか張るとか遙人とか、一発変換できない私に春は来ないのでしょうか。

 せめて無理矢理春気分!ということで、買ってみましたバカ雑誌(ただ今不適切な発言がありました)。なにーなんなのこの脳内お花畑。ピンクの汁がだだ漏れしてるー。バカで可愛いー。というわけで、二十代前半に美容院で手持ち無沙汰で開いてから幾星霜、人生初の「ar」自腹購入と相成りました。

 特集タイトルは「LOVEの分だけ女は育つよ(ハート)」、表紙にちりばめられているキャッチコピーは「ラブい服とラブいリップ」、「オンナはスカートで恋をする」、そして極めつけは「照れてる場合か!」という読者を奮い立たせるような言葉。カバーガールは吉岡里帆。

 いやー、若い。服が若い。何なんだろうなこの若い服の定義って考えながら見てたのですが、スカートの丈や肌の露出は言わずもがな、ひとつのコーディネートで使われてる色の数が多い。そして全体的にアイテムひとつひとつがお安い。だからなのかロンパースやタイトスカート、オフショルダーにウエストポーチなどの個性的なアイテムが並ぶ。あとメイクが攻めてる。はーこれだわ。だから若いんだわ。そしてダメ押しとばかりに連載中のマンガは雑誌編集者と靴のデザイナーのラブストーリー……。なんなんだよもう!アラフォーにケンカ売ってんのかよ!

 と悪態つきながらも、なんかいいなって思う自分もいる。だって誌面、ずーっと幸せそうなんだもん。読者は決して日常で悩みがないわけではないだろうけど(若いという字は苦しい字に似てるし)、でも雑誌を開けば春と恋でずーっと明るい。ページをめくっている間は、未来がキラキラした可能性で満ち溢れているような錯覚に陥れてくれる。そういう雑誌があるって、いいな。そういう時間がなくちゃ、やっぱ結構、しんどいもん。

(主婦と生活社 574円+税)=アリー・マントワネット

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