「スピード感重視で横須賀復活」 上地市長が施政方針語る 横須賀市

方針を述べる上地市長

 上地克明市長の就任以来初となる予算案が2月16日、横須賀市議会に提出された。これに関連して市長による新年度に向けた施政方針演説が行われた。

 冒頭では市内人口減少が続く閉塞感打破のため、合言葉に掲げてきた「横須賀復活」「誰も一人にさせないまち」の実現に向けた思いを力説。社会の変化へ敏感に対応するために「失敗は成功の母」と例え、積極的でスピード感を重視する基本姿勢を強調した。

 より機動的で効率的な組織作りの一環として「文化スポーツ観光部」を創設。公共施設の将来的なあり方の検討を進めていくために「FM推進課」も新設した。

 市の基本計画である「横須賀再興プラン」では「海洋都市」「音楽・巣ポーツ・エンターテイメント都市」「個性ある地域コミュニティのある都市」を街づくりの方向性に位置づけ。その中で経済、福祉、教育、にぎわいを取り組みの柱にすると説明した。

 「横須賀再興プラン」を象徴する事業にまず、人口減少対策で子育て世代へのアプローチとして「2020年度までに市内全小学校への放課後児童クラブの設置」「市独自での幼稚園・保育園費用の段階的無償化」「『(仮称)中央こども園』整備の再開」を挙げた。また、歴史的財産を生かした街の活性化を図るため、「ルートミュージアム型の軍港資料館の整備」にも着手するとした。

 経済面では企業誘致や商店街活動に対して支援することを確認。街のにぎわい創出を目指し、浦賀奉行所300周年記念事業や横浜F・マリノスの練習場誘致、横須賀芸術文化財団などと連携したイベント「メジャーデビューオーディション」を初開催するなど、歴史や文化を生かした街づくりにも力を入れていくと語った。

 また、今年の成人式で、ロック調にアレンジした市歌を新成人の前で市長自ら披露したことに触れ、「市民が『わくわくするなぁ』と思ってもらえる仕組みづくりをしていきたい。『横須賀で暮らしてきて良かった』と思えるまちづくりを進めることが私たちの使命」と結んだ。30分を超える演説を終え、議場では大きな拍手が送られた。

 予算案に対する各会派の代表質問は今月26日(月)から行われる。

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