中核市移行を断念 小田原市市長「行政基盤確立を優先」 小田原市

中核市移行の断念を表明する加藤市長

 加藤憲一小田原市長は2月19日、市議会3月定例会の初日に行われた施政方針演説で、検討を重ねてきた中核市移行を特例措置が適用される2019年度末までに実施しない意向を表明した。

 演説では、「権能強化の面からは中核市に移行すべき」と基本的な考えを示す一方で、南足柄市との合併が見送りとなり、小田原市単独で「厳しい行財政改革に相当なエネルギーを注がなければならない」と述べた。「行財政改革と中核市への移行に並行して取り組むことは困難。まずは基礎自治体として強固な行政基盤を確立することを優先すべきと判断した」と説明した。

 市は16年3月に「中核市移行基本計画(案)骨子」を作成したが、同年10月、南足柄市との合併任意協議により一時中断していた。17年末に合併の可能性がなくなり、再び単独での中核市移行を検討していた。

 加藤市長は中核市移行について「権能強化への取り組みを将来にわたって放棄するものではない」とし、「市民に最も身近な行政体としての責務をしっかりと果たすべく、基礎自治体としての体力の強化に取り組む」とした。

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