平昌五輪から東京五輪を考える

今週、平昌オリンピックを見てきました。感動したのも束の間、東京五輪について考えさせられました。

平昌では大会前半に極端な寒さと強風が問題になり、競技に影響するほどでした。ただ、期間の後半は寒さも風も落ち着いていました。固い人工雪ではありましたが、日本のスキー場のようなウィンタースポーツを楽しめる天気でした。

一方で、2年後に迫った真夏に行われる東京五輪では暑さによる競技への影響は計り知れず、熱中症などはかなり危険な気象条件になることはすでに多くの人が危惧していることです。

天気に問題が無かった前回大会のリオデジャネイロも行きましたが、現地は冬で、蒸し暑い日もありましたが、不快感は少ない暑さです。夏でも東京の蒸し暑さには及ばず、世界を見ても東南アジアなどをのぞき日本のような蒸し暑さはほとんどありません。

熱中症は体調を崩すだけでなく、時として健康な人の命をも奪うため、今回の平昌の寒さや風への批判には、比にならないことは目に見えています。国や東京都も課題に掲げているものの、時間の変更や莫大な費用をかけてクールスポットを作るなど東京五輪の成功にはかなり大胆な対策が必要となると思います。

気象予報士・長谷部 愛

画像について:赤坂の真夏の空

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