高校野球 善波力さん「センバツ」へ 慶応義塾高の正捕手として 綾瀬市

ユニフォームに身を包む善波さん

 慶応義塾高校野球部に所属する善波力(よしなみつとむ)さん(早川城山在住・1年)が、3月23日に阪神甲子園球場で開幕する「第90回選抜高校野球大会」に正捕手としてベンチ入りする。同部は昨秋の関東大会でベスト4入りし、2009年春以来9年ぶりの「センバツ」出場。同じく選ばれた東海大相模とともに、同大会への神奈川勢の出場は4年ぶりとなる。善波さんは「チームが掲げる『慶応日本一』に挑戦できるチャンス。これを目指し、勝ちにいきたい」と意気込みを語る。

 善波さんは地元少年野球チーム吉岡サプリングス出身。中学時代は川崎市の麻生ボーイズに所属し、元メジャーリーガーの野茂英雄氏が総監督を務めるジュニア・オールジャパン(野茂ジャパン)に選ばれた実績を持っている。

 明治大学野球部監督を務める父の影響で、幼少の頃から野球観戦をしていた善波さん。小学3年でサプリングスに入団し、4〜6年でレギュラーや主将を務めるなど頭角を現していた。麻生ボーイズでも中1の夏からレギュラーになり、3年では4番で捕手というチームの大黒柱を担った。

文武両道求め慶応へ

 中学卒業後、「学業も野球も高いレベルで学びたい」と、慶応義塾高の自己推薦に応募した。これまでの経歴などから見事合格し、昨年春から同校野球部に所属。背番号20でベンチ入りした夏の大会では残念ながら出番はなく、ブルペンで受けるなどチームのサポートに徹するのみとなった。

 その後、夏の北海道合宿での練習試合などで実力をアピールし、代替わりとなる秋季大会で背番号2とともに正捕手のポジションを獲得。秋の関東大会1回戦では、5回に0対0のこう着状態を打ち破る先制ソロホームランを放つ活躍も見せている。

 大会中の弛まぬ反復練習に加えて実践経験を積み重ね、キャッチング技術の向上を実感したという。関東大会でのホームランも、兼ねてからの課題だった打撃力の意識改善のきっかけにつながった。

 また、合宿時はなかなかまとまらず勝ちきれなかったという新チームも、選手間のミーティングを重ねるなどしながらチームワークを向上。秋季大会では1点を争う苦しい試合が続いたが、関東ベスト4まで勝ち残った実績は「ギリギリで勝てる力がある」という大きな自信になったという。

チーム一丸で攻撃力高め

 「ピッチャーを中心に守って勝つというスタイルを、打線が援護できなかったのが秋の敗因」と善波さんは語る。これ以降、春に向けスイングや体づくり、筋力トレーニングなど攻撃力向上にチーム一丸となって取り組んできた。また、8番バッターである自身も打撃に課題を感じており、クリーンアップ入りを目指し日々鍛錬に励んでいる。

 「センバツに出場できるのは、先輩方や学校スタッフ、OB会、関係者など様々な方々の努力や協力があったからこそ。その期待を感じながら思い切りプレーしたいです」と話した。

レギュラーで捕手を務める

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