エンビプロHDが決算説明会、中国の雑品輸入規制再生プラ事業に追い風 佐野社長「この変化はビジネスチャンス」

 鉄・非鉄スクラップ業を傘下とする持ち株会社、エンビプロ・ホールディングスの佐野富和社長は23日、都内で開催した2017年7~12月期の決算説明会で、雑品スクラップをめぐる中国の輸入規制について「廃プラスチックの入荷が増えるなど変化はじわじわ効いてきている。従来から精緻な資源リサイクルに力を入れている当社にとって、この変化はビジネスチャンス。(中国の輸入規制は)約8割が当社にはメリットで、デメリットは2割程度だ」と語った。

 特に再生プラスチック製造子会社「プラ2プラ」(名古屋市)は今年4月に設備が本格稼働することから「(廃プラ輸出の減少は)事業の追い風になる」とした。小型家電の破砕残さや一般廃棄物の焼却灰から金銀滓(さい)を回収する事業では、精選別ラインを子会社のエコネコル(静岡県富士宮市)に1基増設し、8月から稼働させる。同ラインは破砕や選別を連続化して生産効率を向上。雑品輸出の減少を背景としたミックスメタルの入荷増に対応できる設備体制とする。また、今年1月に設立したリチウムイオン2次電池リサイクルの新会社「VOLTA」に関しては、コバルトなど材料需要のひっ迫でリサイクル需要の拡大が見込まれるため「将来、当社の最大の柱となる事業だ」と位置付けた。

 今年度上期(17年7~12月)の鉄スクラップ輸出量は24万トンで前年同期比2万トン増だった。うちベトナム向けが19%(前年同期は16%)に伸びたことが要因。

 上期の金の回収量は26キログラム。通期目標74キログラムに対し、やや低調だった。銀の回収量は352キログラム。通期目標は713キログラムで、上期は順調だった。

 「VOLTA」は今夏にエコネコルの工場内で設備を稼働させる。当初は輸入原料を半分ほど使用する計画とし、19年には国内外の集荷体制を構築していく考え。

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