藤沢市立小・器楽クラブ最後の発表会

 藤沢市立小学校で活動する器楽クラブによる「第40回市立小学校管楽器交歓演奏会」が25日、市民会館大ホール(同市鵠沼東)で開かれた。「大きなステージで思い切り演奏を楽しんでほしい」と始まった交歓演奏会も参加校数が減少し、40回の節目で幕を下ろす。最後の晴れ舞台で子どもたちは伸び伸びと演奏し、観客を楽しませていた。

 トランペットやトロンボーンなど普段の授業では使わない管楽器を取り入れた器楽クラブは、同市の特色ある小学校教育の一つ。交歓演奏会は1978年、当時六会小で器楽クラブを担当していた渡部かほりさん(77)ら教諭有志が手弁当で立ち上げた。以来、毎年多くの学校が参加し、延べ23校が日頃の練習の成果を披露してきた。

 ところが、教育課程の変更や当初から指導してきた教諭の引退、塾や習い事をする子どもの増加、安全上の理由で放課後遅くまで残れないといった状況の変化が重なり、「練習時間が確保できなくなった」(渡部さん)。最近は参加校が減少傾向にあった。

 「支えてくれた保護者や先生、地域の方に感謝」と渡部さん。95年に大道小鼓笛隊の一員として出演した市小学校管楽器教育研究会運営委員長の石黒丈也・本町小教諭は「これからはそれぞれの学校で音楽の楽しさを体験できる活動を続けていってほしい」と話していた。

 最後の演奏会は、高谷小と鵠洋小の2校が出演し、アニメ映画のテーマ曲やビートルズメドレー、ドボルザークの交響曲などを披露。高谷小器楽クラブ部長(12)は「緊張したけど納得できる演奏ができた。中学生になっても音楽を続けたい」と笑顔だった。

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