噴石対策法を伝授 箱根の中学校で「火山」防災授業

 火山の仕組みについて理解を深め、防災意識を向上する特別授業が22日、箱根町二ノ平の町立箱根中学校で開催された。地域教育の授業の一環で、1年生47人が参加。箱根ジオミュージアム(同町仙石原)学芸員の山口珠美さん(36)から大涌谷の成り立ちや噴石からの身の守り方などを学んだ。

 山口さんは大涌谷と芦ノ湖が形成された歴史や、2015年6月に大涌谷で水蒸気噴火が発生した際の様子を動画などで紹介。ことし1月に発生した草津白根山の本白根山(群馬県草津町)の噴火や、大涌谷で設置されるシェルターにも触れながら、噴火したときにどのように噴石が飛ぶのか、火山のジオラマを使った実験で説明した。

 シェルターや山小屋の活用方法を生徒に考えさせ、「火口から遠くにいても噴石が飛んでくることはある」「シェルターに入れない場合でも、頭だけは守るように」など身を守るすべを伝授。火山ガスや火山灰なども発生しうるとし「噴火でどんなことが起きるのか知り、居合わせた場合に巻き込まれないようにしないといけない」と語った。

 生徒(13)は「噴火が起きたらどうなるのか、実験を通じ分かった。火山についてもっと知りたい」と話していた。

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