中原区内交差点 2カ所で渋滞緩和へ 川崎市中原区

平日朝7時台の丸子橋交差点の様子

 慢性的な交通渋滞の緩和を目的に、川崎市は今月、第3次緊急渋滞対策を発表した。中原区で対象となったのは丸子橋交差点とガス橋交差点の2カ所。道路新設や拡幅工事を伴う長期的な対策ではなく、信号制御などすぐにできる改善を目指す。

 今回対象となったのは丸子橋とガス橋のほか、遠藤町交差点(幸区)、北加瀬交差点(幸区)、稗原交差点(宮前区)――の5カ所。

 市の調査によると、丸子橋交差点の下り線で、渋滞ピーク時(平日午前7時台)の通過時間は4分23秒。ガス橋交差点のピーク時(平日午後5時台)通過時間は12分41秒で、今回選ばれた5カ所のうち最も長い時間を要した。

 慢性的な渋滞は、経済的損失や環境への影響、交通の安全性低下などから問題視されてきた。

 現在の道幅のまま可能で即効性のある対策は、右折レーンの延伸や右折矢印信号機の設置などが考えられる。市の担当者によると、丸子橋とガス橋の各交差点で具体的にどのような対策を実施するかは、4月以降の調査結果を踏まえ警察署と協議の上、決定するという。「少しでも通過時間を短くできるようにしたい」と話す。

 今後は、今年4月から調査を進め、2021年度までに対策実施の効果検証を行う予定だ。

主要渋滞箇所区内に9カ所

 渋滞データや道路利用者の意見を踏まえて、国土交通省が中心となった首都圏渋滞ボトルネック対策協議会が特定した「主要渋滞箇所」は、市内に58カ所ある。このうち9カ所が中原区内にあり、第1次緊急渋滞対策において木月4丁目交差点の下り車線が増設整備された。効果を検証したところ、4分かかっていた通過時間が解消された。

 また、▽平間駅前踏切▽市ノ坪交差点▽小杉御殿町交差点▽小杉十字路交差点――の4カ所はJR南武線連続立体交差事業や国道409号の道路拡幅事業などの具体的な予定があるため今回の対策からは除外されている。

 このほか、上小田中交差点、児童交通公園入口交差点に隣接する交差点の2カ所が「主要渋滞箇所」として公表されている。

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