水道値上げも 横浜市 改定検討へ

 横浜市が水道料金改定の検討に踏み切る。節水機器の普及などで市内の給水量は減少しており、人口減に転じる今後は水道料金収入の一層の減少が見込まれる上、老朽化した水道管の更新費用もかさむとあって、値上げは不可避との見方が強い。新年度からの審議会では2019年度までに取りまとめを目指す方針で、今後の料金改定の議論に注目が集まりそうだ。

 市の水道料金は01年に12・1%の値上げをした後、消費税増税を除いて16年以上改定していない。23日の市会本会議で設置が決まった審議会では新年度から議論を始め、水道施設や水道管の耐震化ペースや企業債依存度について複数パターンの財政収支を出すなどし、料金体系や配慮事項を検討する。

 同市では人口増にもかかわらず1992年度をピークに1日平均給水量が減少の一途をたどっている。背景にはトイレや洗濯機などの節水機能の高機能化、市内企業の節水などがある。

 単身世帯の増加などで少量使用者が増えていることもあり、料金体系から給水量の減少以上に料金収入の落ち込みは大きく、昨年度はピーク時だった2001年度から約90億円(約1割)も減っているのが現状だ。

 市の人口は19年をピークに減少に転じる見込みで、料金収入のさらなる減少は避けられない。前回の料金改定後、市はメーター検針業務の委託や事務所の統合で職員約900人を削減するなど大幅な人件費削減で乗り切ってきたが、「今後も同様の人件費削減は困難。人口減という一層厳しい局面を迎え、水道事業を維持発展させるために、水道料金のあり方を検討したい」と市水道局は説明する。

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