人格や個性尊重しよう 不登校、いじめで報告会 川崎

 認定NPO法人教育活動総合サポートセンター(藤田力理事長)は24日、同センターで受け入れている子どもの事例などを基に「不登校・いじめへの対応」をテーマにした研究報告会を川崎市中原区で開いた。市内の教育関係者ら約200人が参加し、集団生活や学校になじめずにいる子どもたちに「どのようなことができるか」を考えた。

 パネル討論会では、中1の冬休み明けに不登校となった女子生徒の父親が「音に過敏な子で運動会の練習は大丈夫だが、本番はだめだった。不登校の原因を探し、家庭が悪いのでは、と自分を責めたこともある。学校につなぎたいという思いでやったことも娘のプレッシャーになった」と体験を説明。「その後、『これにサインして』と持ってきたのがサポートセンターの申込書だった。自分で選んで行くことを決め、高校進学も考えるようになった」と報告した。

 小中学校・高校の教諭や山田雅太市生涯学習財団理事長らが、市内のいじめや不登校の現状、学校での取り組みを報告。「学校を安全で温かい場所にするには、よかれと思ってやるのではなく、子どもの本音を察することが大切」などの意見が出され、障害の有無にかかわらず、互いに人格と個性を尊重し合える多様な学びの場や学び方の大切さを強調していた。

 市内には不登校の子どもたちを支援するサポートセンターが3カ所あり、年に170人以上が通っているという。

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