「平和 若者が発信を」 長崎・高校生大使が帰国報告 ハワイでの活動終え

 米ハワイ州を訪問した長崎の高校生平和大使2人が27日、長崎市役所で帰国報告をした。同州出身のオバマ前米大統領の親族との面談や若者との交流などを通じ「長崎が被爆地ということが世界で知られていない」と実感したといい、「若者が被爆者から聞いた話を発信しなければいけない」と述べた。

 2人は長崎東高3年の安野伊万里さん(18)と活水高3年の野瀬舞伽さん(18)。平和や核兵器廃絶を訴えるため19~25日の日程でハワイを訪問した。

 安野さんは、オバマ氏の長崎訪問を要望する手紙を、妹のマヤ・ストロさんに手渡した際に「絶対に(オバマ氏に)渡す」と約束してくれたと報告。「平和の象徴であるオバマ氏の訪問が実現し、長崎が被爆地だということが世界に周知されれば」と期待した。

 また小学校を訪れた際、教師や児童が広島原爆しか認知していなかったエピソードも紹介。野瀬さんは「被爆者がいない時代が近づく中、若者が危機感を持って平和を訴えなければいけない」と述べた。

 2人は、ハワイの高校生と原爆や核情勢について意見交換したほか、現地の小学校と高校の計3校で核廃絶を求める署名76筆分を集めた。

帰国報告で、米ハワイ州で集めた署名を紹介する野瀬さん(右)。左は安野さん=長崎市役所

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