被爆者健康手帳の交付を求めたが、昨年12月の最高裁判決で敗訴が確定した「被爆体験者」387人のうち27人が27日、手帳と、がんなど特定疾病と診断されれば手帳に切り替わる第1種健康診断受診者証の交付を、長崎市や県に申請した。却下されれば、却下処分取り消しを求めて再び長崎地裁に提訴する。
被爆体験者は、国の指定する地域外で原爆に遭ったため被爆者と認められていない。最高裁判決は、爆心地から5キロより離れた場所での原爆放射線による健康被害を認めず、被爆体験者の訴えを退けた。
だが、受診者証が交付される区域は5キロ以上離れている場所もあり、27人は新たな裁判を起こす場合にその矛盾を追及しようと、手帳に加え受診者証の交付も申請した。
先の裁判で原告団長を務めた岩永千代子さん(82)は「被爆者と認められるよう最後まで闘いたい」と話した。