BTCC:チーム・ダイナミクス、FK8型『ホンダ・シビック・タイプR』をシェイクダウン

 BTCCイギリス・ツーリングカー選手権にホンダのワークス格トップチームとして参戦するチーム・ダイナミクスが、スペインで開催されたグループテストで2018年投入のFK8型『ホンダ・シビック・タイプR』のNGTC仕様をシェイクダウンした。

 スペイン・バルセロナ近郊のカスティーリョ・サーキットで、BTCCに参戦するモーターベース・パフォーマンス、ユーロテック・レーシング、AmDチューニング.comチームなどとのプライベート・グループテストに臨んだチーム・ダイナミクス。

 昨季限りでチームを去り、新たにWTCRワールド・ツーリングカー・カップに参戦すると表明した元王者ゴードン・シェドンに代わって加入したダン・カミッシュのために、2017年型のホンダ・シビック・タイプR(FK2型)も持ち込み、初日月曜に前輪駆動レースカーのマイレッジを稼ぐべく走行を行った。

 続く火曜には、長年シェドンとタッグを組み自身も3度の戴冠記録を持つマット・ニールがステアリングを握り、ブランニューマシンとなるFK8型のシェイクダウンを開始。そのFK8型シビックRは無事に予定していたプログラムを消化し、トラブルなく周回を重ねるなど順調な船出を飾った。

 さらにチームはイギリスの本拠地に戻る前に、引き続き新加入のカミッシュにもブランズハッチ、ドニントンパークと続けてFK8型のテストと完熟、評価プログラムを行う計画を立てている。

「チームはこのオフシーズンの間、この新型マシンをシリーズに投入するべく全力を傾けてきた。その努力が実を結んで、本当に感動的な瞬間を迎えることができたよ」と語るのはチーム・ダイナミクス、ハルフォズ・ユアサ・レーシングのチームマネージャーを務めるジェームス・ロジャース。

「この新型ホンダ・シビック・タイプRは優れたプラットフォームを持っているし、ロードカーはイギリスの主要な賞を軒並み受賞したホットハッチでもある。このNGTC仕様もブランズハッチのトラックに並んだ時、強力なパッケージとして高い競争力を見せてくれるはずだ」

 この新型レースカーは今後も開発作業の進行が予定されており、チーム・ダイナミクスにとってはシビック・ハッチバック、シビック・ツアラー、そしてFK2型タイプRに続く、NGTC規定で4代目のモデルとなる。

 ホンダUKのマネージングディレクターを務めるデビット・ホジェッツも「2018年はホンダにとっても記憶に残るシーズンとなるに違いない」と、新型マシンへの期待を口にした。

「ホンダ・シビック・タイプRはBTCCの歴史においてもっとも成功を収めたモデルの1台だ。このFK8型もその系譜を受け継ぐクルマで、こうして2018年仕様のレースカー・バージョンを見ることができ、本当にうれしい。新たなマシン、新たなドライバー・ペアリングとともに、ホンダとチームにとって記念すべきシーズンとなるに違いない」

 一方、今季からBTCC共通のスウィンドン・エンジニアリング製TOCAエンジンに代わり、ニール・ブラウンがチューンを担当したホンダのK20C1直噴ターボに換装することを発表したユーロテック・レーシングは、合わせて新スポンサーに“WIXフィルター”を迎え、新カラーリングとなったFK2型ホンダ・シビック・タイプRを公開した。

 チーム代表兼ドライバーを務めたジェフ・スミスがクラッシュによる怪我で欠場し、2017年中盤から息子のブレット・スミスを起用したユーロテック・レーシングは、そのチームメイトに昨年ポールポジションを連発したジャック・ゴフを残留させ、新規スポンサーの獲得も発表するなど、ホンダ系サテライトチームの第一人者として、さらなる体制強化を図った。

 来月にドニントンパークで開催されるBTCC公式テスト“メディアデー”に先立ち公開された新たなカラースキームをまとうシビックを前に、チームのリーディングドライバーを務めるゴフは「2018年シーズンに向け、WIXブランドとともに戦い、このクールなカラーリングのマシンをドライブできるのは飛び上がるほどうれしいよ」と、喜びの言葉を口にしている。

「彼らはBTCCでもメルセデスのシシリー・モータースポーツや、大ベテランのロブ・オースティンを支援するなど、長い歴史と伝統を持っている。そんな彼らのサポートを得られるのは光栄だし、控えめに言っても……このカラーリングは最高にカッコイイと思うよ!」

 一方、この2018年からジェームス・ナッシュを起用し、これまでのシボレー・クルーズに代わり新たにホンダ陣営に加わることとなったBTCノーリンは、FK2型シビックの心臓部にTOCAエンジンを搭載するとアナウンス。これでホンダ勢は、新型FK8のチーム・ダイナミクス、FK2型でK20C搭載のユーロテック、TOCAエンジン搭載のBTCノーリンと、各陣営が異なるパッケージでシーズンを戦うこととなった。

 また、これまでのアウディS3セダンに加えて、トリプルエイト・エンジニアリングからMG6 GTの2台を引き継ぎ4台体制に拡大するとアナウンスしていたAmDチューニング.comチームは、そのMG6のひとり目のドライバーにWTCC世界ツーリングカー選手権やTCRインターナショナル参戦の経歴を持ち、BTCCでも優勝経験を持つトム・ボードマンを起用すると発表している。

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