マイナンバーカードと端末を紛失 横浜市

 横浜市鶴見区は28日、戸籍課執務室内で保管していた交付前のマイナンバーカード78枚とカード交付用のノートパソコン1台を紛失したと発表した。同区は盗難の可能性が高いとみて、鶴見署に被害届を提出した。市によると、交付用パソコンの紛失は全国で初めて。

 同区によると、紛失したカードには氏名と顔写真、住所、生年月日、マイナンバーが記載されていた。交付前のため、コンビニで住民票交付を受けるなどのシステム利用はできない設定になっているが、念のためICチップ内の電子証明書を無効化。本人証明としての悪用を防ぐため、警察に対象者の情報を提供した。現時点ではカード、パソコンともに悪用された形跡はない。

 同区によると、21日午後5時ごろ、10代の男性職員が窓口カウンターのパソコンの上に未検品のカード78枚を置いたまま離席。課の終礼を終えて約30分後に窓口に戻りパソコンがないことに気付いたが、ほかの職員が片付けたと勘違いした。パソコンには内規で定められた盗難防止用ワイヤを設置していなかった。20代の女性職員もパソコンやカードの枚数を確認せずに保管庫を施錠。翌22日に紛失に気付いて捜索したが見つからず、23日に鶴見署に被害届を提出し、27日から申請者への謝罪と説明を始めた。

 市では昨年9月にも神奈川区でマイナンバーカード21枚を紛失しており、再発防止策に取り組む最中だった。今後は全区役所に防犯カメラ設置などの再発防止策に取り組むという。

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