MLB公式が全30球団の布陣予想 田中1番手、大谷2番手、野手は日本人ゼロ

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

大谷は打線には名前はなし、エンゼルスのみ先発6人制での予想

 メジャーリーグは本格的にオープン戦がスタートし、3月29日(日本時間30日)の開幕まで約1か月となっている。今オフはFA市場の動きが遅く、まだ多くの選手が未所属だが、MLB公式サイトはこのタイミングで全30球団のラインナップ予想を掲載した。

 青木宣親外野手がヤクルトに復帰し、イチロー外野手の去就が決着していない現状では、新労使協定のもとでマイナー契約でのスタートとなっている二刀流・大谷翔平投手を除くと、メジャーに日本人野手はゼロ。それでも、多くの投手が特集に登場しており、ヤンキースの田中将大投手は先発1番手、ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手はクローザー候補となっている。

 まずは大谷が移籍したエンゼルス。この予想では「打者・大谷」は打線には入っておらず、主砲のアルバート・プホルス内野手が「4番・DH」となっている。新加入のイアン・キンズラー内野手が「1番・二塁」、スーパースターのマイク・トラウト外野手が「2番・中堅」、ジャスティン・アップトン外野手が「3番・左翼」という強力打線だ。

 大谷は先発ローテーションでは2番手の扱い。1番手はギャレット・リチャーズ、3番手はアンドリュー・ヒーニー、4番手はタイラー・スカッグス、5番手はマット・シューメーカー、6番手はJC・ラミレス。30球団で唯一、6人制ローテでの予想となっている。

ヤンキースの大砲は打線で2人続かず?

 FA市場でNO1評価を受け、カブスと契約したダルビッシュ有投手はジョン・レスターに次ぐ先発2番手。カブスはすでに、レスターが開幕投手を務めると発表した。3番手はホセ・キンタナ、4番手はカイル・ヘンドリックス、5番手はタイラー・チャッドウッドというハイレベルなローテーションで、クローザーには昨季ドジャースのワールドシリーズ進出に貢献したブランドン・モローの名前が入っている。

 また、ドジャースの前田健太投手は先発4番手の位置付けとなった。エースのクレイトン・カーショー、2番手のリッチ・ヒル、3番手のアレックス・ウッド、5番手の柳賢振と、昨年とほぼ同じローテだ。

 そして、田中はヤンキースの先発1番手とされた。開幕投手争いが注目されているルイス・セベリーノは2番手。こちらも、3番手ソニー・グレイ、4番CC・サバシア、5番手ジョーダン・モンゴメリーと、昨季と同じ顔ぶれが並ぶ。一方で、打線はパワーアップ。注目の新加入ジャンカルロ・スタントン外野手は「4番・DH」で、アーロン・ジャッジは「2番・右翼」となっている。大砲2人は並ばず、3番に左打者のグレッグ・バードを挟むという予想だ。そして、5番に強打の捕手ゲーリー・サンチェスが入っている。

 NPBからの移籍組では、ダイヤモンドバックスのクローザー候補に平野の名前がある。ブラッド・ボックスバーガー、アーチー・ブラッドリーと守護神を争うと見られている。また、巨人からカージナルスに移籍したマイルズ・マイコラス投手はカルロス・マルティネス、マイケル・ワカ、アダム・ウェインライトに次ぐ先発4番手。西武からパドレスに移籍した牧田和久投手、日本ハムからレンジャーズに移籍したクリス・マーティン投手はイニング終盤を任される可能性が高いが、ラインナップ、先発ローテ、クローザーを掲載したこの特集には名前は挙がっていない。

 さらに、特集に名前の出てこない日本人ではマーリンズの田澤純一はブルペンで重要な役割を担うことになり、マリナーズにマイナー契約で残留した岩隈久志は5、6月のメジャー復帰が見込まれている。もちろん、ここからFA選手を獲得して更なる戦力アップを遂げるチームも多くなるはずだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2