IoTで高齢者見守りへ 県がシステム構築加速

 長崎県は2018年度から、「モノのインターネット」(IoT)や情報通信技術(ICT)を活用した単身高齢者らの見守りシステム構築を加速させる。2日は県庁で関連サービスを提供する企業20社の展示会を開き、2市町で実証実験につなげたい考えだ。

 県が目指すのは、家庭内に取り付けたカメラやセンサー、IoT家電などと、家族、地域の民生委員、ボランティアら人的なネットワークを組み合わせて、高齢者の孤立を防ぐシステム。

 具体的には▽高齢者宅に、人の動きを感知するセンサーを取り付け、長時間動きがないといった異常があれば、地域包括支援センターなどを通じて別居する家族らに通知する▽認知症の傾向がある高齢者の外見をあらかじめカメラに登録しておき徘徊(はいかい)しそうになった時、行き先を訪ねたり、部屋に戻るよう促したりする家族の声を再生する▽家電の使用状況を遠方の家族に送信し安否を知らせる▽肌着に発信機を取り付け、徘徊高齢者などの位置情報を把握する-などを想定している。

 県は、市町の担当者や介護事業者らに、こうしたシステムを実際に見たり、企業側と意見交換したりすることで導入を検討してもらい、実証実験につなげる狙い。5日開会の定例県議会に提出する18年度一般会計当初予算案には、事業費約200万円を計上している。

 展示会は午前10時から、各企業が県庁舎1階の大会議室A~Cにブースを設置し、エントランスの協働エリアでは順番にプレゼンテーションを行う。一般の来庁者も自由に観覧できる。

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