シモダフランジ、オイル・ガス掘削向けHIP製品事業に進出

 火力発電向け主体の大手鍛造メーカーであるシモダフランジ(本社・兵庫県相生市、社長・下田信治氏)は、オイル・ガス掘削部品や火力発電部品向けのHIP(熱間等方圧加圧)製品事業に進出する。ニッケル合金やスーパー二相ステンレスなど高合金粉末を使い、微細かつ均一な金属組織を持つ大型・肉厚で複雑形状の部品を開発する。HIPプロセスは金属技研(本社・東京都中野区、社長・長谷川数彦氏)に委託し、粉末調達、製品販売でステンレス・特殊金属流通のイノウエ(本社・東京都千代田区、社長・井上浩樹氏)と連携する。

 同社は鍛造フランジ大手で火力発電向け鍛造品を柱に据えている。オイル・ガス掘削向けを主対象に、HIP法の特徴を生かすことができ、かつ大型・肉厚で複雑形状の部品を開発して、新規事業展開を図る。世界最大を含めて多数のHIP装置を持つ金属技研と技術連携し、新たな製品分野を開拓する。

 すでに9%クロム系のグレード91のHIP製品を試作し、引っ張り試験、硬さ試験などを行い、長期間クリープ破断試験も進めている。2020年までに顧客の評価を終えて本格販売を開始する計画。

 第2回次世代火力発電EXPO(2日まで東京ビッグサイト)にイノウエと共同出展し、HIP製品のPRも行っている。

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