銃撃事件「テロ」と抗議 総連が集会、NGOも声明

【時代の正体取材班=石橋 学】横浜市栄区在住の極右活動家らが在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部ビル(東京都千代田区)に銃弾を撃ち込み逮捕された事件を受け、朝鮮総連は28日、都内で抗議集会を開いた。  事件を「凶悪なテロ行為」「総連と同胞に対する犯罪的威嚇」と非難するとともに、背景に北朝鮮と朝鮮総連に対する敵視政策があると指摘。再発防止と、敵対意識を醸成する政策をやめるよう求める要請文を近く日本政府に提出することを決めた。

 また、日本の市民団体や国際非政府組織(NGO)も事件への抗議の意思を示し、日本政府の厳正な対処を求める声明を発表。外国人人権法連絡会など5団体は連名で、事件は在日コリアンへの差別意識・排外主義に基づくへイトクライム(憎悪犯罪)だと指摘。政府に対し、事件を非難する声明をただちに公表すること▽差別的動機が認められた場合、欧米のようにヘイトクライムとして刑罰を加重すること▽再発防止のため人種差別禁止法やヘイトクライム法の制定−などを求めた。

 大阪を拠点に活動するコリアNGOセンターも事件当日の23日、「在日コリアン全体に向けたヘイトクライムへと拡大していきかねない」との懸念を声明している。

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