《新宿》日本の伝統文化、つるし飾りが6800体! 華麗な光景を堪能しよう

 もうすぐ、ひな祭りですね。京王プラザホテル(新宿区西新宿)では3月29日(木)まで、「文化香る雛調度 つるし飾りと日本の香」と題し、約6800点のつるし飾りが、3階のメインロビーや2階通路などに展示されています。

 つるし飾りは、江戸時代に静岡県稲取地域で誕生したといわれています。上流階級のように豪華なひな人形を手に入れられない庶民が、娘の幸せと成長を願いながら、古い着物をほどき、その生地を縫い合わせて作った素朴な人形です。

 大きさは、手のひらに収まるほど。赤ん坊や犬、サル、すずめ、セミ、花などを模して作られています。

 ひとつひとつの人形には全て意味があるのをご存じでしょうか。犬は「子宝・安産健康に恵まれますように」、毬は「元気でかわいらしく育つように」、セミは「出世」を意味し、すずめは「五穀豊穣を表し食に恵まれ丈夫な子に」、えびは「不老長寿」、風車は「何事にもよい風向きに」、などの思いが込められているそうです。

キノコに子どもが乗っている様子が何ともかわいいつるし飾り

 展示されているつるし飾りは、制作者の松尾光代さんとお弟子さんらの家に代々受け継がれてきた着物の本絹古布をほどいて作られたもの。ホテルを訪れた人々はみな、スマートフォンなどで、その華麗な光景を写真におさめています。

 また、ひな飾りと同じく日本の伝統的な文化である“香”についての展示もあり、香木や香炉などの工芸品を見ることがきます。香は、仏教伝来とともに日本へ伝わり、平安時代には貴族の趣味として親しまれ、室町時代の将軍 足利義政のときに「香道」が成立したといわれています。

 香木は、香りによって六国(りっこく)と呼ばれる6種類に分類され、さらにこの香りを5つの味で表現し、六国と五味の組み合わせで区分。数種類の香木を組み合わせ、香りを当てるゲームのような遊び「組香」も室町時代から行われていました。

 つるし飾りや香りについてもっと知りたいという人には、講座とひな祭りのランチがセットになったイベントも用意されています。香木についてのトークとイタリアンランチをセットにしたもの(3月7日:トーク&特別ランチ 8000円、要予約)や、つるし飾りの制作を体験し、和ランチを楽しめるプラン(3月15日:つるし飾りの体験制作&特別ランチ 1万1000円、要予約)があります。

ひな祭り期間中に提供されるイタリアンランチの前菜。真ん中におびな、めびな、ひし餅を模した食材があり、とってもキュート

 おひな様や香に触れ、“女子力”をアップしてみませんか。

文化香る雛調度 つるし飾りと日本の香

開催場所:京王プラザホテル(新宿区西新宿2-2-1)3階メインロビー他

開催期間:3月29日(木)まで(最終日は午後3時まで)

入場無料

※ホテル内各レストランのひなまつり特別ランチは、3月31日(土)まで

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