拓南製鉄、高張力ネジ節棒鋼「ネジテツコン」加工工場が本稼働

▽…沖縄県唯一の電炉メーカーである拓南製鉄(社長・古波津昇氏)が、鹿児島市谷山港に建設していた高張力ネジ節棒鋼「ネジテツコン」の加工工場がこのほど完成。今月から本格稼働を開始する。近年、九州地区でネジテツコンの採用が増えているためで、沖縄以外では初めての加工拠点となった。

▽…主に鉄リサイクルを手掛けている薩南物産(社長・橋西五十四氏)の事務所および倉庫の道向かいに完成した加工工場の建屋面積は約2200平方メートル。加工設備の本体として大東精機のバンドソー「STIII5080」を導入。自社設計のプログラムや付帯設備を組み合わせることで、ミリ単位の精密切断加工が可能。

▽…運営は、昨年4月から薩南物産内に事務所を構えている拓南製鉄鹿児島営業所(所長・松井太郎取締役営業本部本部長兼福岡営業所長)があたる。昨年の九州地区における販売実績は4千トンで、一昨年(2300トン)に比べてほぼ倍増している。

▽…「ネジテツコン」は、拓南製鉄が東京鉄鋼とOEM契約を結んで2008年から生産している。職人不足の時代にマッチした商品で、超高層建築で用いられる大径の高強度鉄筋を簡単に接合できることから、大手ゼネコンを中心に採用が増えている。

▽…カプラーやナットを使って、ネジの原理で手軽に接合できるのが特徴で、他のネジ式と違い全ネジ状のためどこで切断しても接合が可能。また、鋼種・サイズをカラーによって識別することにより、現場において配筋ミスの防止や確認作業が容易。

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