トロロッソF1首脳「ホンダは今年中にルノーに追いつく」“自由な開発”がプラスに作用と示唆

 スクーデリア・トロロッソのテクニカルディレクター、ジェームズ・キーが、今年新しく搭載するホンダのパワーユニットとルノーとの差はそれほど大きくなく、今のホンダのポテンシャルからして、今シーズン後半にはルノーに並ぶ可能性があると語った。

 ホンダはマクラーレンのパワーユニットパートナーとして2015年にF1活動を再開したが、3年目を迎えてもトラブルが多発、2017年末でパートナーシップが解消される結果になった。2018年からホンダはトロロッソにパワーユニットを提供する。

 プレシーズンテスト1回目、トロロッソ・ホンダは非常に高い信頼性を発揮、4日間で全チーム中最多の周回数を走りこんだ。トロロッソ首脳陣は、テスト期間を通して、ホンダのパワーユニットを高く評価する発言を行っている。

「彼らとの作業はとてもスムーズに進む。あらゆることを最適な状態にするために、協力し合って働いているのだ。今のところとてもスムーズだよ。これからもこの調子でやれると思う」とキーはSky Sports Newsに対して語った。

 キーは、ホンダのパワーユニットは数カ月後にはルノーに追いつくと考えている。
「ルノーが今年どれだけのことをしてきたか、僕は知らない」

「だが去年のルノーの状況はよく分かっている。去年のホンダは、シーズン前半に多くの困難に直面しながら、それでもパワーユニットの開発を推し進める能力があった」

「そのため、シーズンの終わりには(ホンダのパワーユニットは)間違いなく良くなった。そういった傾向が今年も続いていると思う」

「その傾向が続くのであれば、シーズン半ばから終盤までにはルノーに真っ向からチャレンジできる状態になれないはずがない。そうなることを期待している」

「差はそれほど大きくはない。去年言われていたほど離れてはいない。今シーズン終盤にはルノーにかなり近づけると思う。今年彼ら(ホンダ)が前進しているのは間違いないので、心強いね」

 キーは、新パートナーシップにとっての初めてのシーズンに向けて、トロロッソ側はホンダができるだけ自由に開発を進めることを認めるというアプローチをとったと明かした。マクラーレンは、“サイズゼロ”というコンパクトなデザインを追求するため、ホンダに困難な作業を強いたといわれている。

「マクラーレンと彼らの関係がどうだったのかは知らないし、それについて話したこともない。だが我々は、改善を果たすために必要な自由を全面的にホンダに対して与えるというアプローチをとった」とキーは言う。

「ホンダに対してこう言った。『何をしたいのかを教えてくれればいい。いい妥協点を探し、何がベストのパッケージなのか答えを見つけ出そう』とね」

「彼らがしっかり仕事に取り組むために必要な、全面的なサポートと自由を提供しようと思った。彼らはそれを尊重し、受け止めたと、私は感じている」

「彼らがトライしたいと思っていたことがいくつかあった。それについて我々はサポートし、シャシーのために困難なことを行うよう強要することは一切しなかった」

「本格的に走るまでは、何も分からない。だが、幸い今のところ大きな問題は一切出ていない」

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