戸塚駅で滞留者避難訓練 横浜市戸塚区

JR職員に誘導され、ホームから改札口に向かう訓練参加者

初の試みとして自ら「判断」「行動」

 戸塚区は乗降客数の多いJR、市営地下鉄戸塚駅で2月22日、災害時に駅周辺が混乱することを想定した「対策訓練」を行った。7年前の東日本大震災時、JRなど公共交通機関が運行を中止し、同駅で多数の滞留者が発生したことを教訓に2015年から東戸塚駅と交互に各年で実施している。

 当日はJRや市営地下鉄のほか、サクラス、トツカーナなど周辺商業施設なども参加。「午後2時に区内で最大5強の震度を観測」とし、それにより、鉄道の運行が停止、戸塚駅、東戸塚駅で多数の帰宅困難者が発生――と想定した。

 JR戸塚駅では、駅職員がホームから帰宅困難者役の訓練参加者を駅改札口外まで誘導。今回初の試みとして、参加者が自身の判断で避難する訓練も実施した。区は駅周辺の一時滞留先である「YMCA」や「戸塚スポーツセンター」などの場所が示された地図を渡したほか、市運営サイト「帰宅困難者一時滞在施設検索システム」を紹介するにとどめた。田中均危機管理担当係長は「これまでは区が避難誘導を行ってきたが、実際に大地震が起こった場合、ご自身の判断で行動せざるを得ない状況となるだろう。『自助』のスキルを上げてもらうため、ハードルを高くし、取り組んでもらった」と説明する。

 また、区はJR駅構内に現地本部を設置し、滞在施設や区内の被害状況、交通機関の運行情報などをトランシーバーで確認していた。

 訓練に参加した横浜薬科大学職員の菅野栄二さんは「JRやスポーツセンターなど連携、統制がよく取れていた」と感想を語った。

 帰宅困難者の一時滞在場所として戸塚駅周辺は7カ所、東戸塚駅周辺は6カ所指定されている。

現地本部で情報収集する区職員

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