新日鉄住金、印エッサール買収に名乗り A・ミッタルと共同経営で合意、来月末にも決着へ

 新日鉄住金は2日、インド鉄鋼大手、エッサール・スチールの買収手続きにアルセロール・ミッタル(AM)と共同で参画すると発表した。エッサールの売却先は4月末にも決まる見通しで、実現すれば新日鉄住金はエッサールをAMと共同経営し、成長市場のインドで製鉄上工程を獲得することになる。

 エッサールは銀行の不良債権処理に伴い昨年7月から法的管理下で身売り先を探してきた。2月には最終候補の1社に残ったAMが買収を提案していると表明。かねて関心を示してきた新日鉄住金もこれに加わり共同買収とすることで合意した。

 買収にはAM・新日鉄住金連合のほか、エッサールの創業家が加わっている投資ファンドも応札している模様。AMは技術移転や設備投資を通じ、エッサールの生産力を立て直すと訴えていたが「新日鉄住金と組むことで提案がより強化される」(ラクシュミ・ミッタル会長)と歓迎する声明を出した。

 新日鉄住金とAMは米国のINテックやINコートといった合弁事業を組み、米国アラバマ州では薄板工場を共同買収し成功した実績がある。需要が伸びているものの競争も激しい印市場だけに、既存の製鉄所を共同買収することでリスクや投資負担を減らせるメリットがある。

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