《上野》「プラド美術館展」 ベラスケスと黄金期の輝き

ディエゴ・ベラスケス「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」1635年頃 マドリード、プラド美術館蔵=いずれも ©Museo Nacional del Prado

 17世紀はスペイン美術の黄金期。深い精神性を感じさせる宗教画家のスルバラン(1598~1664年)、神聖な物語を親しみやすく描いたムリーリョ(1617~82)、イタリアで活躍したリベーラ(1591~1652年)ら大画家がきら星のごとく居並ぶ。背後にはスペイン国王にして芸術文化の庇護(ひご)者、フェリペ4世(1605~65年)の存在があった。そしてその恩恵を最も受けたのが、王付きの画家として37年仕えたバロックの巨匠、ベラスケスだ。

 「陽の沈まぬ帝国」を統治したハプスブルク家スペインも、17世紀には衰退の一途をたどる。政治的混迷の中で権力を誇示するかのように、フェリペ4世は実に3000点を超える絵画を収集。スペインが誇る美の殿堂、プラド美術館(マドリード)は歴代国王のコレクションを基とするが、所蔵絵画7000点超の半分近くがフェリペ4世の収集品。国立西洋美術館(東京・上野公園)で開催中の「プラド美術館展」は、ベラスケス7点を含む絵画約60点で当時の宮廷のアートシーンを再現している。

ティツィアーノ「音楽にくつろぐヴィーナス」1550年頃 マドリード、プラド美術館蔵

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