〝リアルテック・ベンチャーのインキュベーション〟
COGは、研究開発やものづくりに特化したベンチャーに、全方位のサポートを提供する仕組み。グローカリンクが運用する拠点としての施設のほか、リバネスの知識プラットフォーム、町工場集団「スーパーファクトリーグループ」の技術支援、リバネスの運営する提案型研究受託サービス「RESQUE」との連携、海外ベンチャーとの連携、毎月開催するピッチイベントなどのサポート環境が提供される。
施設運営を担うグローカリンクの長谷川和宏代表は「場所であるよりも場」として、「人類が持っていないものをもたらす」ことへのチャレンジを支援する「世界初のリアルテック・ベンチャーのインキュベーション」と位置づけている。
施設は8つの個室、64席のフリーアドレス、2つの会議室、プレゼンテーションルーム、ものづくり相談スペースで構成され、9面マルチディスプレイ、プロジェクター、スクリーン、移動式ホワイトボード、無線LAN、キッチンスペースを備える。工作機械、3Dプリンターのような設備は、これからの入居者、利用者が求めるものを集め、備えていけるよう柔軟に対応する。
営業は午前10時から午後6時まで。ただしベンチャーは申請すれば終日、利用できる。
「ドローンとも愛称は抜群 是非利用を」
背景には町工場が激減している状況がある。COGの立地する墨田区には2500の町工場が集まる。集積はしているが、かつての1万あった頃の4分の1だ。同様に町工場が集まると言われる東京都大田区、大阪府東大阪市も事情は同じだ。日本経済を支えたものづくりは、町工場の持つメッキや金型、金属加工などの基盤技術がなければ不可能だったが、コスト競争にさらされ、結果として廃業が増えている。
リバネスの丸幸弘代表は、「企業経営の利益はよくなっている、とニュースで聞くが、中小企業や町工場の方からそんな声は聞かない。利益を出しているのは大企業だけというのは、どこかおかしくないか。ベンチャー自身が、町工場自身が、価値を社会に送り出さないといけない。ここでは、ベンチャーも未来の話を堂々とできる」と述べた。
また提携しているDrone Fundについて、丸代表は「ファンドの出資先企業にもぜひ利用して頂きたいし、千葉さんからはそうしたい、という話をした。実際、ドローン事業との愛称は抜群にいい。是非、利用して頂き、世界にほこるドローン事業を生み出してほしいし、それを手伝いたい」と話している。
上流で仕事をし、下請け体質から脱却を
オープニングイベントには、スーパーファクトリーグループのグループ長で、墨田区に本社を置く金属加工会社、株式会社浜野製作所(東京)の浜野慶一社長が登壇し「町工場の多くは、量産加工を担っているが、人件費抑制のあおりをまともに受けているうえ、発注企業の海外流出もあり、たえず競争相手の多いところで仕事をせざるをえず、製品を高く売るのが難しい状況だ。COGで、売れないステージを変えたい。上流で仕事をし、下請け体質から脱却しないといけない」と、町工場やベンチャーを激励した。
また入居予定企業として、センシングな技術などで睡眠の測定や改善サービスを提供する睡眠サイエンス・ベンチャー、株式会社ニューロスペース(東京)、台風時にも発電できる風力発電ベンチャー、株式会社チャレナジー(東京、COGが本社)、バイオテックのuFraction8(英)、人工皮膚技術のDeNova Sciences(シンガポール)が、取り組みを披露。
また日本たばこ産業株式会社が祝辞にかけつけ、パートナー企業として、三菱電機株式会社、農業機械メーカー、小橋工業株式会社(岡山市)が登壇してメッセージを寄せた。Focustech Ventures(シンガポール)、Bloom Accelerate(英)、DG TAKANOもあいさつをするなど、注目されている企業が数多く登壇するにぎやかなイベントとなった。
COG
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