アルガルベ杯2戦目、大敗後の立て直し

アルガルベ杯の2戦目はアイスランド戦。なでしこは先日の大敗後立て直すことができたのか?元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんに語っていただきます!

課題修正

オランダに大敗から、アイスランド戦の注目は、守備の立て直しと、決定力でした。

日本は、FIFAランキング9位に対して、アイスランドは、20位とあって、 確実に勝利することが求められます。

過密日程ということで、日本のスタメンは、ボランチの隅田選手以外は、入れ替えるターンオーバーを採用し、リフレッシュしたメンバーで望みました。

海外組の熊谷選手がキャプテンで、高木選手とセンターバックを組み、宇津木選手が、左サイドバックで、ディフェンスラインを引き締める。

2トップは、オランダ戦で、見事にゴールを決めた岩渕選手が、菅澤選手と、2トップを組み、海外組の横山選手が、左サイドハーフに入り、攻撃に厚みを増しました。そして、ドリブラーの岩渕選手とタッパーがある菅澤選手のコンビはとてもバランスが良かったと思います。

試合は、オランダ戦の教訓を生かすべく、ディフェンスの選手が中心となり、ディフェンスラインを上げて、中盤で、ボランチの猶本選手と隅田選手を中心に、全員が、連携してプレスを速くかけてボールを奪い、日本が主導権を握る。出足の速さ、予測がいつもに増して出来ていました。

右サイドハーフの増矢選手と、オーバーラップした右サイドバックの清水選手が、積極的に攻撃参加して、クロスをあげる。

左サイドの横山選手は、岩渕選手と菅澤選手と連携して、シュートまでもっていく。

圧倒的にゲームを支配していた日本は、清水選手が、相手陣内で、右サイドから、ゴール前に柔らかいクロスを上げる。

ゴール前で、ディフェンスラインの裏を狙っていた菅澤選手が、飛び出し、アイスランドのゴールキーパーが、触る寸前で、菅澤選手が、右足を伸ばし、爪先でボールに当てて、ゴールマウスに届かせる。なでしこリーグでも、常に、裏への飛び出しとシュートを狙って意識している得意のプレーだ。

そして、高さだけではなく菅澤選手のゴールの技術の高さが伺えたゴールになった。

痛い失点

菅澤選手がゴールしたその直後、アイスランドは、コーナーキックで、ゴール前にボールが、こぼれ、アイスランドの選手が、押し込み、同点。日本は、しっかりコーナーキックのボールを遠くにクリアできなかったのが、痛かった。

コーナーキックでは相手がお見合いしてしまったり、遠慮がまだまたあるように思うが、とにかくしっかりクリアして遠くに飛ばせるようにしないといけない。

後半、日本は、長谷川選手、大谷選手、田中選手等を投入して、勝ちにいく。

日本はボールへの寄せが速く、決定的チャンスを作りながらも、ゴールにはいたらない。猶本選手のシュートもゴールキーパーに、惜しくも阻まれる。

オランダ戦に続いて、長谷川選手が、前線の横山選手に、絶妙のスルーパスを出すが、惜しくもオフサイドになったが、レベルの高いスルーパスだった。

長谷川選手は味方を活かすようなパスが出せるので、これからのなでしこジャパンには必要不可欠のように思う。

後半~勝負の時間~

勝利が欲しい日本は、後半40分。コーナーキックで、シュートコーナーのボールを受けた中島選手が、ゴール前に上げる。ゴール前で、宇津木選手が、相手と競りながら身体に当てたボールが、ゴールマウス右隅に入り、日本が、2ー1とリードする。日本の勝利への強い気持ちを象徴するようなゴールだ。

そして、中島選手のゴール前にあげるボールの精度と意識は本当に誰にも負けないものがあると思う。そのボールをものにしように一生懸命競り身体に当てた、宇津木選手の負けん気にチームを引っ張るぞという彼女の気合いを感じた。

リードしたまま、タイムアップ。日本2ー1アイスランドで、勝ちきったのは、次のデンマーク戦に繋がり、とても大きい。初戦に大敗していただけあり、とにかく勝ちという結果を残すことが大事でそれがチームの成長、自信に繋がる。

しかし、決定的チャンスにしっかり決めること、コーナーキックから失点しない、という課題は残されている。苦しい時にしっかり決められる選手が、この大会で沢山出てきてくれることを望むと同時に、失点されてもそれ以上に得点する力があれば、試合には負けることはないのでオフェンスの選手には得点という部分に高い意識を持ち、こだわってほしいなと思う。次戦のデンマーク戦に、注目したい!

みなさま、引き続きなでしこジャパンの応援を宜しくお願いします!

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