現役バリバリ1軍野手が異例の独立リーグへ 村田修一が目指すNPB復帰への道

2009年には侍ジャパン代表にも選ばれた村田修一【写真:Getty Images】

巨人を自由契約となりBCリーグ栃木に入団

 巨人を自由契約になった村田修一が、ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスでプレーすることが決まった。

 栃木ゴールデンブレーブスは、昨年、ルートインBCリーグに加入。独立リーグでも滋賀と並び、最も歴史が浅いチームだ。監督は、ダイエー、ソフトバンクでプレーした辻武史、昨年は「ナックル姫」こと吉田えりが在籍していた。また中崎雄太、金伏ウーゴなどNPBでキャリアのある選手も出場していた。

 しかし村田のようにNPBで超一流の選手が独立リーグでプレーするのは極めて珍しい。これまで、ルートインBCリーグでは、過去、NPBで1000本安打以上を記録した選手が3人、プレーしている。

アレックス・ラミレス(NPB通算2017安打)
2014年・群馬45試合190打数58安打7本塁打38打点、打率.305

タフィ・ローズ(NPB通算1792安打)
 2015年・富山41試合146打数46安打5本塁打37打点、打率.315

岩村明憲(NPB通算1172安打)
2015-17年・福島22試合34打数14安打1本塁打8打点、打率.412

 村田は昨季まで通算1865安打をマークしている。ルートインBCリーグ史上で2位のNPB安打数ということになるが、ローズは2009年限りでNPBを引退している。また、他の2人も成績が低下してNPBを戦力外になっていた。村田は前年、巨人で100安打を記録し、レギュラー格として活躍していただけに、これまでの3人とはまったく事情が異なると言えるだろう。

四国アイランドリーグplusでは昨年、マニー・ラミレスがプレー

 なお、同じ独立リーグの四国アイランドリーグplusでは、NPBで1000本以上の安打を記録した選手はプレーしていない。昨年はMLB通算2574安打のマニー・ラミレスが高知でプレーしたが、マニーも2011年を最後にMLBではプレーしていない。村田とは大きく事情が異なる。

 ルートインBCリーグでは、今年から26歳定年制を導入している。今年38歳になる村田はこの枠から外れているが、例外的に設けられた各球団5人までのオーバーエイジ枠での入団だ。NPBの選手の支配下選手登録の期限は7月31日。ルートインBCリーグは6月中旬で前期日程を終了するため、村田はこの時期までに実績を残し、NPB球団のロースターに名前を連ねたいところだ。

 独立リーグでのプレーを経て、NPBに復帰した選手の中で、村田の手本になりそうなのは、現阪神の藤川球児だろう。阪神時代、絶対的なクローザーとして活躍した藤川は、2013年にMLBに移籍。2015年シーズン中に日本復帰を表明したがNPB球団ではなく、四国アイランドリーグplusの高知に入団。6試合2勝1敗、防御率0.82と格の違う成績を残す。また2002年以来の先発のマウンドに立ち、完封勝利を挙げて健在ぶりをアピールし、阪神に復帰を果たした。

 同じ「松坂世代」の村田にとって、藤川のこの事例は大いに参考になるのではないか。栃木球団でのプレーの期間は3か月程度になりそうだ。村田は限られた時間で精いっぱいのアピールをしてほしい。また、栃木の若い選手たちも村田のプレーから多くのものを学び取るだろう。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2