南北首脳 来月会談 核放棄に期待感 長崎県内被爆者

 韓国と北朝鮮の南北首脳会談開催が発表された6日、長崎県内の被爆者は北朝鮮の核放棄の可能性に期待感を示し、識者は「米国と北朝鮮の緊張はいったん和らぐ」との見解を示した。

 県平和運動センター被爆連の川野浩一議長は「北朝鮮が核を手放す可能性が100分の1でも出てきた」と歓迎。対話中の核・ミサイル実験中止について「この延長線上に核放棄がある。いい方向に進んでほしい」と話した。

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)の鈴木達治郎センター長は、北朝鮮が非核化のため米国と協議する用意があるとしたことについて「米朝の緊張緩和につながる」との見解を示しつつ、トランプ米政権の動向を注視する。

 米軍の動向を監視しているリムピース佐世保の篠崎正人編集委員は、カール・ビンソンなど米原子力空母が意図的に東シナ海を避ける形で南シナ海などに展開していると指摘。「南北会談をしやすい雰囲気をつくっている。トランプ政権は過激な発言の陰で交渉オプションを駆使している印象がある」との見方を示した。

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