残りは2枠? 鷹の開幕1軍争いが熾烈、若手投手陣で生き残るのは誰だ?

左からソフトバンク・長谷川宙輝、笠谷俊介、野澤佑斗【写真:福谷祐介】

4日の西武戦では若手投手たちが次々に登板、明暗分かれる

 次から次へとマウンドに上がっていく若手たち。6日に行われた西武とのオープン戦。ソフトバンクファンにとっては、一度に期待の若手を数多く見ることのできる“見本市”のようだった。それぞれに明暗こそ分かれたものの、ホークスの未来を担う投手たちにとっては、良き経験の場になっただろう。

 この日マウンドに上がった若手は育成選手の長谷川宙輝、野澤佑斗の2人と加治屋蓮、古谷優人、笠谷俊介、飯田優也の計6人。明暗は分かれ、その中で最もアピールに成功したのは、最後に登板した笠谷だったろう。

 7回2死満塁というピンチで、古谷からバトンを受けた笠谷。西武期待の若手である鈴木将平を左邪飛に打ち取ってピンチを脱出。8回は山川穂高、森友哉、永江恭平という西武の中軸2人を含む打順を3者連続空振り三振に仕留めた。1回1/3をパーフェクト投球。「(3者連続三振は)たまたまです。キャンプの時に倉野コーチから『気持ちを出していけ』と言われていて、それが出せた。結果に繋がったかなと思います」と登板後は語った。

 4回1死一、二塁のピンチでマウンドに上がったのは、長谷川宙だった。先発の中田賢一の球数が予定数に達したため、降板。ピンチで登板した期待の育成左腕は秋山翔吾に四球を与えて満塁としたが、続く源田壮亮を遊直に仕留めた(三塁の松田が弾き、大きく弾んだ打球を今宮が捕球するちょっと珍しいプレーだった)。

 源田を打ち取ったところで長谷川宙から、今度は同じ育成で右サイドハンドの野澤へ。右腕は浅村栄斗に粘られた末に押し出し四球を与えて1点を許したが、山川を二飛に打ち取り最少失点でこの回を切り抜け、こちらもまずまずの投球だった。

1軍の投手枠を13人、リリーフ7人と想定すると空きは2枠

 5回に登板した加治屋は先頭の森に左前安打を浴びたが、後続を打ち取り無失点投球。9回に登板した飯田も、先頭の代打・松井稼頭央に中前安打を許したが、外崎修汰、金子侑司を連続空振り三振に。松井稼の盗塁失敗もあり、3人で最終回を片付けた。

 結果が奮わなかったのは、6回から登板した古谷だった。1イニング目は内野安打と右前安打、四球で1死満塁のピンチを招いた。ここは山川、森を連続空振り三振に打ち取り、難を逃れたが、2イニング目となった7回にも安打と2つの四球で満塁のピンチとなり、源田に押し出し四球。1回2/3で2安打4四球と崩れた。

 1軍の28人枠のうち、基本的に考えられる編成は投手13人、野手15人だ。先発6人とすると、リリーフは7人。ソフトバンクは既に守護神のサファテを筆頭に、セットアッパーの岩嵜翔、リバン・モイネロ、森唯斗、左キラーの嘉弥真新也までは当確と言え、残された枠は2枠である。

 この日投げた6投手に加えて、4日の阪神戦で投げた田中正義も現状で候補の1人となる。この7人に加え、ファームにいる二保旭や高橋純平といった面々が、その狭き枠を競っている状況にある(寺原隼人、岡本健らは負傷中)。

 ホークスはオープン戦4試合を消化し、残り13試合を戦う。開幕まで3週間ちょっと。狭き開幕1軍の座をかけて繰り広げられる若手たちのサバイバル。生き残るのは、一体誰だ。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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