日本の小学校で初、聖ヨゼフ学園小が「国際バカロレア」に認定 横浜市鶴見区

同校の授業の様子

 東寺尾の聖ヨゼフ学園小学校(荒屋勝寿校長=人物風土記で紹介)がこのほど、国際水準の教育プログラムを実施する「国際バカロレアPYP校」の認定を受けた。日本の小学校としては初めて。認定を受け同校は、ユニバーサルな思考を自ら持てる人材育成を目指すとしている。

 国際バカロレア(IB)はスイスのジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する教育プログラム。そのうちPYPは3歳から12歳までを対象とし、精神と身体の両方を発達させることを重視したもの。実施するには機構の認定が必要となる。

 IBプログラムは2017年6月1日現在、世界140以上の国・地域、4846校で行われている。PYPの実施は日本で22校のみ。インターナショナルスクールがほとんどで、一条校の小学校としては初めての認定。

 聖ヨゼフ小学校は、信・望・愛を校訓とし、来年度で創立65年を迎える。

 もともとの教育を活かし、より良くするための研究を重ねる中で、同校の教育方針とIBの使命が一致していることに注目。2014年から勉強会をスタートさせ、翌年には探究型概念学習を全学年で導入。2016年の3月に候補校としての認定を受けた。

教えない授業

 IBのプログラムは先行きの見通しが困難な時代に、どのような場所、どんな状況にあっても自身で未来を切り拓くことができる人となることを目指すもの。

 同校が具体的に導入するのは「探究型概念学習」という授業。「私たちは誰なのか」「私たちはどのような時代と場所にいるのか」などの6つをテーマに6教科(言語・社会・算数・芸術・理科・体育)を学びながら、それぞれが自分たちの答えを導き出す。

 荒屋校長は「これから児童らに必要なのは知識の量ではなく、知識を使い、応用し、正しいことを見つけ出す力」とし、「探究の授業は”教えない授業”。教諭が答えを児童と一緒に考え、その子なりの最善の答えを引き出すこところに特徴がある」と語る。

 次年度には「エキシビション」という家族・地域住民などを招待して学習の集大成を発表する場を設ける予定という。

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