護衛艦「あさひ」引き渡し 三菱重工長崎造船所 ガスタービンと電気で動くハイブリッド方式

 三菱重工業長崎造船所(長崎市)で建造された海上自衛隊の護衛艦「あさひ」(基準排水量約5100トン)の引き渡し式などが7日、同市飽の浦町の同造船所本工場であった。

 あさひは、国の中期防衛力整備計画に基づき2隻配備される「あさひ」型の1番艦。2015年5月に起工した。来年3月就役予定の2番艦「しらぬい」も同造船所で建造している。

 あさひは、全長151メートル、幅18・3メートル、船底から甲板までの高さ10・9メートル。最大速力は30ノット。ソナー性能の向上により、対潜能力が向上している。護衛艦として初めて、ガスタービン機械推進に電気推進を組み合わせたハイブリッド方式を採用。無補給での作戦可能航続距離が飛躍的に伸びている。建造費は約759億円。第2護衛隊(佐世保市)に配備され、佐世保を母港にする。

 式では三菱重工の阿部直彦防衛・宇宙ドメイン長が、防衛装備庁の佐藤直人海将に引き渡し書を手渡した後、約220人が乗艦。船尾に自衛艦旗が掲げられた。村川豊海上幕僚長は「わが国周辺の安全保障環境は戦後最も厳しい状況となっている。訓練に精励し、一日も早く任務に就けるよう最善を尽くしてほしい」と訓示した。

引き渡し後、「あさひ」に乗船する乗組員=長崎市、三菱重工業長崎造船所本工場

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