野母崎のプール 9月廃止 跡地に恐竜博物館建設へ

 定例長崎市議会は7日、総務、教育厚生、環境経済、建設水道の4常任委員会を続行。建設水道委は、同市野母町の野母崎総合運動公園水泳プールを9月1日に廃止する条例改正案を可決した。プール跡地には、周辺の地層で相次いで発見されている恐竜化石の調査研究拠点となる恐竜博物館を建設する。開館は2021年10月の予定。

 市によると、同プールは1977年に設置。50メートルプール(8レーン)と幼児用のプールを備え、昨年は3025人が使った。

 条例改正案は5日に審査を始め、市は野母崎地区の小中一貫市立校「青潮学園」に学校プールが整備されたことから同公園のプール利用者が減少傾向にあるほか、施設の老朽化で修繕費に1億5千万円が必要と説明。今夏の7月21日~8月31日までの利用期間を最後にプールを廃止し、跡地に恐竜博物館を建設する計画を説明した。

 一方、審査の中で、市がプールを利用する地域の学童クラブや保育園などの意向調査をしていなかったことが判明。建設水道委は7日に市から調査結果の報告を受け、利用者の理解が得られたと判断し、条例改正案を可決した。委員からは「地域住民への事前説明をしっかりしてほしい」と指摘する声が上がり、市は陳謝した。

 恐竜博物館は延べ床面積2250平方メートル(常設展示面積650平方メートル)。総事業費は17億4千万円。市は新年度に基本計画をまとめる。

廃止が決まった野母崎総合運動公園水泳プール=長崎市野母町

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