イニングイーターへの転身を試みるタイガース・リリアーノ

キャリア通算1610イニングを投げ、投球イニング数を上回る1642三振を奪っているフランシスコ・リリアーノ(タイガース)。メジャー有数の「奪三振マシン」として活躍してきた左腕は、30代中盤というキャリアの転換点を迎え、投球スタイルの大幅な変更を模索している。

タイガースに加入したリリアーノが目標に掲げるのは、球数を減らしてイニングイーター(多くのイニングを投げる投手)に転身することだ。「僕が今、最優先に考えているのは四球を減らすことだ。各打者に対して3球以内で決着をつけるのが理想だね」とリリアーノは語る。これまでのリリアーノはどちらかと言うと球数が多く、カウント3-2になることもしばしば。球数を多く使いながらも、最終的には相手打者を三振に斬って取るのが持ち味の投手だった。しかし、メジャー13年目のシーズンを迎え、その投球スタイルを根本から覆そうとしているのである。

ロン・ガーデンハイアー監督は「できるだけ少ない球数で打者を打ち取ろうという試みは良いと思うよ。みんな知っているように、彼は球数の多い投手だった。ボールになる変化球で空振りを取りに行くから球数が多くなってしまうんだ。それが彼の持ち味でもあるんだけどね。彼がやろうとしていることは良いことだと思っているよ」とリリアーノのチャレンジに一定の評価を与えている。リリアーノが球数を減らし、コンスタントに長いイニングを投げられるようになれば、ブルペンの負担を軽減することもできるため、ガーデンハイアーとしては大歓迎といったところだろう。

球数を減らすためには積極的にストライクを投げていく必要があり、それは四球を減らすと同時に、持ち味である奪三振を減らしてしまうリスクを秘めている。しかし、リリアーノは「たぶん四球と奪三振が減るだろうね。長いイニングを投げることでチームに貢献できるなら、奪三振が減っても問題ないよ」と前向きに捉えている。球数が多いため、キャリアで1度も200イニングをクリアしたことがないリリアーノだが、今季は投球スタイルの変更に成功し、新たな姿を見せてくれるかもしれない。

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