イチロー6年ぶり古巣復帰 MLB公式が選出、マリナーズでの名場面トップ8は?

マリナーズへの復帰が決まったイチロー【写真:Getty Images】

メジャー選手として第一歩を踏み出したマリナーズでの「8つの最高の瞬間」

 マーリンズからFAとなっていたイチロー外野手が7日(日本時間8日)、古巣マリナーズと正式契約し、入団会見に臨んだ。MLB公式サイトでは、2001年から12年シーズン途中にヤンキースに移籍するまでシアトルで輝きを放った「背番号51」の名場面トップ8を特集している。

「イチローのシアトルへの復帰の高まりとともに、マリナーズでの8つの最高の瞬間を振り返ろう」と特集したのはMLB公式サイトの動画コーナー「CUT4」だ。「それが起ころうとしている」と、レジェンドのセーフコフィールド凱旋への期待を隠しきれない様子で、2001年から10年連続でオールスターに選出されたイチローの輝ける8つの瞬間を振り返っている。

 1番目はメジャー史に残る1年目の大活躍。「イチロー、シアトルへようこそ」と振り返っている。オリックスから27歳でやってきたイチローは新人王とMVPを受賞するなど、数々の個人タイトルを獲得。リーグ最多の242安打と56盗塁を記録し、打率.350で首位打者にも輝いた。新人王とMVPの同時受賞は、メジャー史上でフレッド・リンとイチローだけが実現した偉業。ここからイチロー伝説は始まった。

 2番目は2004年10月1日のレンジャーズ戦(セーフコフィールド)。打席前からスタンディングオベーションで迎えた観客にセンター前ヒットで応えた背番号51は、ジョージ・シスラーの年間最多安打記録(257安打)を更新した。記事では、地鳴りのような歓声に帽子を取って応えたイチローが「自分の野球のキャリアで最高の瞬間」と振り返ったことを紹介している。

 3番目は2005年6月15日のフィリーズ戦。ライトフェンス直撃の一打でメジャー通算1000安打を達成し、この時もスタンディングオベーションが巻き起こっていた。特集では「最初のマイルストーンの1つとなった」と振り返っている。さらに、4番目は2009年9月6日のアスレチック戦。ジオ・ゴンザレスの2球目を華麗にはじき返し、ライト線を破ると、この時もスタンディングオベーションが巻き起こった。これはメジャー通算2000安打。特集では「1402試合での2000本安打到達で、彼は史上2番目に早い選手となった」とメジャー史に残る偉業だったことも伝えている。

伝説の「レーザー」もランクイン「ファンは復帰にワクワクしている」

 5番目は2007年のオールスター。この時、イチローは球宴史上初のランニングホームランを記録し、MVPに選出されている。スライディングもせずに悠々とホームインしたイチローについて、特集では「これは壮観だ」と称賛している。

 伝説の「レーザービーム」は6番目に入った。「イチロー相手に走ってはいけない。絶対にだ。これがその理由だ」と振り返ったのは2001年4月11日の敵地アスレチックス戦。相手の一塁走者テレンス・ロングは味方のライト前ヒットで果敢に三塁を狙ったが、イチローがライトから衝撃的な送球を見せる。

 ロングはタッチアウト。実況が「何てことだ! イチローがレーザービームのストライク」と絶叫した伝説の名シーンで、強肩イチローの代名詞となった。外野からの送球に「レーザービーム」という言葉が使われるようになったのは、このときから言われている。

 7番目では、客席の女性ファンがイチローとの触れ合いで狂喜乱舞状態になる動画を紹介。「彼がファンをショック状態にした瞬間もあった」と絶大な人気ぶりを振り返っている。

 そして、最後の8番目に入った名場面は、マリナーズの一員としての活躍ではなかった。昨年4月19日、イチローはマーリンズの一員としてセーフコフィールドに凱旋。3連戦最終戦の9回最終打席に右中間スタンドにホームランを叩き込んだ。マーリンズとマリナーズ時代の人形が並ぶダブルボブルヘッド人形も来場者にプレゼントされた“イチロー祭り”の華麗なフィナーレに、スタンディングオベーションが沸き起こった。

「どちらのチームで彼がプレーしていようが問題ではない。彼はマリナーズのファンからも暖かいスタンディングオベーションで歓迎された。シアトルへ、おかえりなさい、イチロー。ファンが復帰にワクワクしていることを我々は知っている」

 会見では古巣への復帰を「とてもハッピー」と語った44歳。特集ではその英雄の復帰を早くも歓迎していた。

(Full-Count編集部)

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