古巣復帰のイチローが正式契約「すべてをチームに捧げたい」

日本時間3月8日、イチローがマリナーズと正式に契約を結び、入団記者会見が行われた。イチローは自身の思いを適切に伝えるため、慎重に言葉を選びながら報道陣からの質問に答えていたが、「マリナーズが必要としていることを何でもやりたい。今まで培ってきたすべてをチームに捧げたい」と古巣復帰にあたっての覚悟を口にした。

日本時間3月6日に身体検査を受けたイチローは、無事に身体検査をパスし、2日が経過してようやく正式発表に至った。ESPNの報道によると、今回の契約は年俸75万ドルの1年契約。打席数に応じた出来高が設定されており、基本給と出来高を合計した総額は最大で昨季の年俸と同じ200万ドルまで上昇する契約となっているようだ。

ジェリー・ディポートGMは「イチローの加入は、チームに利便性が高くアスレチックな外野手を提供してくれる。彼の仕事に対する姿勢や準備、集中力は驚異的なものであり、多くの面で我々のチームに貢献してくれるだろう。彼は球史において最も偉大な選手の一人であり、彼の存在がフィールド上においてもクラブハウスにおいても貴重なものであることは間違いない。彼が戻ってきてくれて本当に嬉しいよ」とイチロー加入の効果を説明するとともに、イチローの復帰を歓迎した。

イチローが前回マリナーズに所属していたときに、ともにプレイした選手はフェリックス・ヘルナンデス、カイル・シーガー、岩隈久志、エラスモ・ラミレスの4人だけ。ロビンソン・カノーとはヤンキースで、ディー・ゴードンとはマーリンズでともにプレイしており、デービッド・フェルプスはヤンキースとマーリンズでチームメイトだったが、大半の選手は初めてイチローとプレイすることになる。殿堂入り確実の名選手とともにプレイすることは、若手選手にとって貴重な経験となり、ポジティブな効果をもたらすに違いない。

なお、スコット・サービス監督はイチローがオープン戦に出場する前に3~4日間の調整期間を設けることを明言している。正左翼手のベン・ギャメルが故障離脱していることもあり、準備が整い次第、週に4~5日レフトを守らせる方針のようだ。早ければ来週にも、マリナーズのユニフォームに身を包んだイチローがオープン戦でプレイする姿を目にすることができそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.