日本イットリウム、半導体製造装置向け保護材料生産、2.5倍に

 三井金属とトーキンは7日、両社が出資する日本イットリウム(NYC、福岡県)が、需要拡大に対応するため、半導体製造装置向け保護材料であるイットリウム化合物の生産能力を約2・5倍に増強すると発表した。設備投資額は数億円。18年下期まで段階的に設備増強を行う。

 半導体市場は、IoTやスマートフォン、自動車の先進運転支援システム(ADAS)化などの旺盛な需要を受けて大きく成長しており、今後もその傾向が続くと見込まれている。また、半導体のさらなる微細・高集積化、高生産化を実現するためにコンタミネーション(塵埃や汚染物質などの異物・不純物)の低減が強く求められており、保護材料は酸化物系からフッ化物系のイットリウムに研究・開発がシフトしつつある。こうした需要に対応するため、NYCが開発・上市しているイットリウムのフッ化物およびオキシフッ化物の生産能力を増強することを決めた。

 NYC(出資比率・三井金属70%、トーキン30%)は、国内でいち早く高純度レアアース製品の量産化を実現したレアアースのリーディングカンパニーで、半導体などに使用されるレアアースの製造・販売を行っている。

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